
初級4
近代科学・天文学
ガリレオ・ガリレイ
編集部
太陽が「火」で燃えているというのは誤解です。水素の核融合という巨大なエネルギーメカニズムから重力とのバランス・太陽の寿命まで、太陽のしくみを解説します。
太陽は固体ではなく電気を帯びたプラズマでできた超高温のガス球です。直径は約139万km、成分は水素約74%・ヘリウム約24%で、表面温度は約5,500℃、中心温度は約1,500万℃にも達します。太陽は太陽系の中心にある恒星です。
木やガスの燃焼と太陽のエネルギー発生はまったく別物です。ふつうの燃焼は酸素が必要な分子の化学反応ですが、太陽の核融合は酸素なしに原子核どうしが反応して非常に大きなエネルギーを生みます。太陽が明るいのは化学反応ではなく核反応が続いているからです。
巨大な重力が中心部を超高温・超高圧にして核融合の条件を作ります。核融合が起きるには超高温(約1,500万℃以上)・超高圧(地球の約1000億倍以上)・高密度(物質が密集)という3つの条件が必要です。重力で圧縮→温度上昇→原子が近づく→核融合という流れで、太陽がつぶれずに形を保てるのは内向きの重力と外向きの圧力(静水圧平衡)がバランスを保っているためです。
太陽の中心では4つの水素原子核(陽子)が近づいて反応を進め、ヘリウムが生まれます。その過程で光子・ニュートリノ・光と熱としてエネルギーが放出されます。太陽は毎秒莫大な量の水素を使ってエネルギーを生み出しており、この反応は太陽の中心核で起きています。
核融合では「消えた質量」がエネルギーへ変わります。E=mc²(E:エネルギー、m:質量、c:光の速さ約30万km/秒)という式で、水素の質量合計よりヘリウムの質量のほうがわずかに小さく、その差が放出エネルギーになります。c²(約9×10¹⁶)が非常に大きいため少しの質量差でも膨大なエネルギーが生まれ、だから太陽は長い時間非常に明るく輝き続けられます。
中心核で核融合によってエネルギーが発生し、放射層では光(光子)が電子などに衝突しながらジグザグに進み、対流層では熱いガスが上がり冷えたガスが降りる対流で熱が表面へ届きます。そして光球から光として宇宙に放たれます。中心から表面に届くまで非常に長い時間がかかります。
表面から出た光は宇宙空間を進み、光速(約30万km/秒)で約8分20秒後に地球に届きます。昼をつくる光・地球を温める熱・植物の光合成を支える光として生命活動の基盤となっています。私たちが受け取る光と熱はすべて太陽中心部の核融合が源です。
核融合の燃料である水素には限りがあり、太陽も永遠ではありません。現在の年齢は約46億年で、主系列星としての寿命は約100億年です。あと約50億年後には中心の水素が減り始めて赤色巨星へと膨らみ、最終的に外側のガスを放出して白色矮星になると考えられています。
今回は、太陽がなぜ燃え続けているかについてお伝えしました。太陽は木やガスの火ではなくプラズマでできており、重力が中心部を高温・高圧にして水素がヘリウムに変わる核融合が起きています。E=mc²の原理で少量の質量が膨大なエネルギーとなり、それが光と熱になって約8分20秒で地球に届きます。太陽の「燃焼」の正体は核融合による長期的なエネルギー放出で、あと約50億年ほど輝き続ける見込みです。