細胞周期はG1期→S期→G2期→M期の4段階からなり、各ステップにチェックポイント機構がある。細胞分裂・DNA修復・アポトーシスの3つが正常に制御されている。がんはこの制御が壊れるところから始まる。
DNA損傷が修復に失敗すると突然変異が起き、細胞の性質が変化する。原因はコピーエラー・活性酸素・紫外線・放射線・化学物質など多岐にわたる。1回の変異ですぐにがんにはならず、多くは長い時間をかけて変異が蓄積する。加齢とともに変異が増えやすくなる。
発がん要因は内因(加齢・遺伝的素因・細胞分裂ミス)と外因(喫煙・飲酒・紫外線・肥満・HPVウイルス・大気汚染・化学物質)に分かれる。がんの特徴は複数の要因が積み重なること。原因は一つではなく、複数の要因の組み合わせで発症リスクが高まる。
がん遺伝子(アクセル:RAS・MYC)が暴走し、がん抑制遺伝子(ブレーキ:TP53・RB)が故障すると、異常細胞が生き残る。がんは「遺伝子の病気」であるが、人から人へ感染する病気ではない。
体内では免疫細胞が異常な細胞を見つけて排除しようとする。① 異常なたんぱく質を手がかりに認識 ② T細胞やNK細胞が攻撃 ③ がん細胞は免疫を回避して身を隠す。免疫チェックポイント阻害薬はこの回避の仕組みを止める薬。がんは「できる」だけでなく、「見逃される」ことでも育つ。
異常細胞が増え続けると腫瘍になり、周囲の組織を巻き込みながら成長する。① 無制限の増殖:止まる指令に反応しにくい ② 血管新生:栄養を得るために新しい血管を呼び寄せる ③ 周囲への浸潤:近くの正常組織に入り込む。良性腫瘍は周囲に広がらないが、悪性腫瘍(がん)は浸潤・転移する。成長には時間がかかるが、進行すると急速に悪化することもある。
がんの一部は元の場所を離れ、血管やリンパ管を通って別の臓器へ広がる。腫瘍で発生→周囲へ浸潤→血管・リンパ管に侵入→体内を移動→別の臓器で増殖という流れをたどる。転移しやすさはがんの種類によって異なり、転移は治療を難しくする大きな要因。がんの怖さは「増えること」だけでなく「広がること」にある。
予防策:禁煙・節酒・バランスのよい食事・運動・適正体重・紫外線対策・ワクチン(HPV・肝炎)・感染予防。検診・早期発見:症状がなくても定期検診を受ける、異変があれば早めに受診、年に1回など定期的にチェックする。早期のがんは治療しやすいことが多く、予防と検診はがんとの向き合い方の基本。
① DNAの傷・突然変異の蓄積から始まる ② 加齢・生活習慣・遺伝的素因が影響する ③ アクセル(がん遺伝子)とブレーキ(がん抑制遺伝子)の両方が壊れる ④ 免疫を逃れ、大きくなり広がる ⑤ 予防・検診・早期受診が重要。がんは突然現れるものではなく、長い時間をかけて少しずつ進む。仕組みを知ることが、予防と適切な受診につながる。