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遺伝子はどう働くのか
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生命科学・分子生物学

遺伝子はどう働くのか

編集部

DNAの情報は、転写→翻訳というプロセスを経てタンパク質になり、体の機能を支えている。遺伝子のON/OFFの切り替えから塩基配列の変異まで、分子生物学のセントラルドグマを10枚でわかりやすく解説する。

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01遺伝子はどう働くのか

02遺伝子・DNA・染色体の関係

「遺伝子」はDNAの一部分で、DNAは染色体として細胞核に収納されている。細胞→核→染色体→DNA→遺伝子という階層構造をなす。細胞は体をつくる基本単位、DNAは情報を記録する長い分子、遺伝子はある働きを決めるDNAの区間。ヒトは約2万個の遺伝子をもつと考えられている。

03DNAは4つの文字でできている

DNAの情報はA(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)という4種類の塩基の並び方で表される。結びつきのルール:AはTと、GはCと結びつく。文字の並びが文章になるように、塩基の並びが遺伝情報になる。

04遺伝子は必要なときに読み出される

すべての遺伝子がいつも働くわけではなく、必要な場面で特定の遺伝子だけが使われる。OFF(使われていない):必要ない遺伝子は読み飛ばされ、働きを止める。ON(使われている):必要な遺伝子だけが読み出され、働く。筋肉の細胞では筋肉に関係する遺伝子がON、神経の細胞では神経に関係する遺伝子がON——同じDNAでも細胞ごとに違う遺伝子が働く。

05ステップ1:転写 DNAからRNAへ

必要な遺伝子の情報がDNAからメッセンジャーRNA(mRNA)に写し取られる。①DNAの一部がほどける→②酵素(RNAポリメラーゼ)が塩基配列を読み取る→③mRNAがつくられる。mRNAは情報を運ぶメッセージ。転写は主に細胞核の中で起こる。

06ステップ2:翻訳 RNAからタンパク質へ

mRNAの情報をもとにアミノ酸がつながり、タンパク質がつくられる。①リボソームがmRNAに結合し3つずつの塩基(コドン)を順に読み取る→②対応するアミノ酸がtRNAによって運ばれ、リボソームに結合する→③アミノ酸の鎖が立体的に折りたたまれてタンパク質になる。翻訳は主に細胞質で行われる。

07タンパク質が体の働きを支える

遺伝子の情報からできたタンパク質は体の中でさまざまな役割を果たす。酵素:化学反応を助ける。筋肉:体を動かす。ホルモン:情報を伝える。抗体:病原体から守る。遺伝子→タンパク質→体の機能という流れで体のしくみが成り立っている。

08遺伝子発現はどう調節される?

体は必要に応じて遺伝子をON/OFFし、いつ・どこで・どれだけ働くかを調節している。遺伝子発現調節の主な要因:①細胞の種類(組織ごとに必要な遺伝子が違う)、②発生や成長の段階、③ホルモンなどの化学的シグナル、④環境(外部刺激)。同じ細胞でも、皮膚と肝臓で働く遺伝子が違う。この調節を「遺伝子発現の制御」という。

09変異が個性や病気に関わる

DNAの配列が少し変わることを変異といい、個性の違いや病気の原因につながることがある。変異の影響:個性の違い(髪や目の特徴・体質など)、有利・不利な変化(環境への適応に影響する場合がある)、病気との関係(一部の変異は病気の原因になる)。変異の多くは小さな変化で、すぐに問題となるとは限らない。

10まとめ

遺伝子の働きは、DNAの情報がRNAを経てタンパク質になり、体の機能へつながる流れとして理解できる。①遺伝子はDNAの一部。②必要な遺伝子だけが読み出される。③転写と翻訳を通じてタンパク質ができる。④遺伝子の違いや調節が個性を生む。遺伝子は「運命を固定するもの」ではなく、環境や調節と組み合わさって体の働きを支えている。