
初級6
気象・自然科学
台風はどうやって生まれるのか
編集部
台風の正体から発生条件・構造・進路・命名方法まで、図解で徹底解説します。熱帯低気圧が巨大な嵐へと成長するメカニズムを学び、なぜ日本に近づくのかを理解していきましょう。このスライドでは、台風の正体・台風が発生する条件・台風が成長する仕組み・台風の構造など、10枚のスライドでわかりやすく解説していきます。
台風とは、強い熱帯低気圧のことです。熱帯の海上で発生する低気圧のうち、北西太平洋や南シナ海で最大風速がおおむね17m/s以上になったものを台風と呼びます。強い勢力になると暴風や大雨の危険が増します。世界では、hurricaneやcycloneと呼ぶ地域もあります。台風は熱帯低気圧の一種で、暖かい海で発達し、呼び名は地域によって異なります。
台風が生まれる条件は4つあります。まず海面水温が高いこと(目安は26〜27℃以上)です。次に暖かく湿った空気が豊富なこと、水蒸気が多いほど雲が発達します。また地球の自転の影響として、コリオリの力で渦ができやすいことが必要です。さらに上空と地上の風の差が小さいと成長しやすくなります。発生しやすい場所は北緯5〜20度の熱帯・亜熱帯の海上で、インド洋や西太平洋などが挙げられます。赤道の近くではコリオリの力が弱く、台風が発生しにくい傾向があります。
台風が成長するのは、海の熱がエネルギー源となるためです。まず暖かい海から水が蒸発し、湿った空気が上昇して雲になります。すると周囲から空気が集まり、渦が強くなります。その際に放出された熱でさらに上昇気流が強まり、台風がより発達していきます。このサイクルが続くことで台風はどんどん強くなります。水蒸気が燃料、凝結熱がエンジンとなり、海上ではエネルギー補充が続きます。
台風は、目・目の壁・雨雲の帯の3層構造を持っています。台風の目は中心付近で比較的風や雨が弱い部分です。目の壁は最も激しい暴風雨になりやすい部分で、雨雲の帯は外側にも強い雨や風をもたらす螺旋状の雨雲です。上から見ると風は反時計回りに回転し、中心へ吹き込む空気が渦を形成します。目がはっきりしているほど台風が強いことが多く、風は中心に近いほど強くなります。
台風の進路は、高気圧や上空の風に左右されます。南の海上で発生した台風は、太平洋高気圧の影響で西へ進みやすく、その後偏西風の影響で北〜北東へ向きを変えます。日本への接近は夏・秋に多く、7〜10月が上陸の多い時期です。進路は毎回同じではなく、気象条件によって変化します。
台風が強まりやすい条件は、暖かい海面・湿った空気が豊富・上空の風の変化が小さい・海上を長く進む、の4つです。一方、弱まりやすい条件は、陸に上陸する・冷たい海に入る・乾いた空気が入る・上空の風の変化が大きい、の4つです。台風は海からのエネルギー供給が減ると弱まりやすくなります。
台風が消滅するまでの流れを見ていきます。まず台風が陸地に上陸するか海面水温が低い地域に入ると、海からのエネルギーが減ります。すると雨や風のまとまりが弱くなり、熱帯低気圧になるか、温帯低気圧に変わります。日本付近では前線を伴う温帯低気圧に変わることがあります。なお、台風が消滅しても大雨や強風が続く場合があるため、最新の情報に注意が必要です。
日本では台風を毎年発生順に「台風第1号」「台風第2号」と番号で呼びます。報道や防災でも番号が広く使われ、多くの台風を番号で管理できます。一方、国際的には北西太平洋の台風にはアジアの国や地域が選出した名前が付けられ、名前リストを繰り返し使用します。大きな被害をもたらした名前は変更されることもあります。日本の番号と国際名は同一の台風に対して並行して使われることがあり、たとえば国際名「ヤギ」のような例があります。
今回は台風についてお伝えしました。台風は暖かい海の上で発生し、エネルギーを得て発達します。そして強風・大雨・高潮などの大きな影響をもたらしながら接近・上陸し、冷たい海や陸上でエネルギーを失い衰弱・消滅していきます。台風のポイントは、水蒸気がエネルギー源であること、構造は「目」「目の壁」「雨雲の帯」の3層であること、そして進路は高気圧や上空の風に左右されることです。備えの基本として、最新の台風情報の確認・非常時持ち出し品の確認・自宅周辺の安全確保・避難場所と経路の確認を心がけてください。