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雷発生のメカニズム
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自然科学・気象メカニズム

雷発生のメカニズム

編集部

夏の積乱雲の中でいったい何が起きているのか。氷粒の衝突による電荷分離から、空気の絶縁破壊、先駆放電、戻り放電まで——雷が生まれる全プロセスを図解で追います。「なぜ高い木に落ちやすいのか」「雷鳴はなぜ遅れて聞こえるのか」が科学的に理解できる一冊。

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01雷発生のメカニズム

積乱雲の中で何が起きているのか。①雷は積乱雲の中で電気がたまって起こる。②氷粒やあられの衝突で電荷が分かれる。③電場が強くなると放電が始まる。④放電で光と音が発生する。このスライドでは、雲の発達から放電・雷鳴までを順番に見ていきます。雷は、雲の中の電気のやり取りによって起こります。

02①積乱雲ができる

夏の強い日差しなどで地表付近の空気が暖まる。暖かい空気は軽くなり上昇する。上空で冷えて水蒸気が水滴や氷になる。強い上昇気流で積乱雲が大きく成長する。地表のあたたかく湿った空気が上昇気流をつくり、上空で冷えて水滴になることで積乱雲が発達する。雷は、こうした発達した積乱雲の中で起こりやすい。

03②雲の中で電気が分かれる

電荷の受け渡し(ぶつかりのしくみ):氷晶は+になりやすく、あられは−になりやすい。雲の中では氷の粒どうしが激しくぶつかる。ぶつかったときに電荷の受け渡しが起こる。軽い氷晶は上へ運ばれやすく、重いあられは下に集まりやすい。この「電荷の分離」が雷の出発点。上昇気流(暖かく軽い空気が上に向かって流れる)と下降気流(冷たく重い空気が下に向かって流れる)が電荷の偏りを生み出す。

04③雲の中に電荷がたまる

雲の上部には+、下部には−が集まりやすい。雲の下の地面には反対の+電荷が誘導されて集まる。雲と地面の間で電場が強くなる。電荷がたまるほど放電しやすくなる。電場とは電気の力がはたらく空間のこと。+の電荷が多い領域(雲の上部)と−の電荷が多い領域(雲の下部)の間に強い電場が形成される。

05④電場が限界をこえる

ふつう空気は電気を通しにくい(絶縁体)。しかし電場が非常に強くなると空気が電離する。電離とは空気の分子が+イオンと電子(−)に分かれること。すると空気中に電気の通り道ができる。ここから本格的な放電が始まる。空気の「絶縁破壊」が雷の直前の状態で、強い電場があると絶縁が破れる。

06⑤先に見えにくい放電が下りる

雲から地面へ向かって弱い放電が進む。これを「先駆放電(ステップト・リーダー)」と呼ぶ。一気ではなく段階的・階段状に進む。地面へ向かって枝分かれしながら進行する。人の目では見えにくいが、雷の本体の前ぶれとなる重要なプロセス。この時点ではまだ最も明るい雷光ではない。

07⑥地上からも放電が立ち上がる

地上側でも上向きの放電(ストリーマ)が生じる。木や建物、避雷針の先から出やすく、高い場所ほど起こりやすい。雲からの放電(ステップドリーダー)と地上からの放電(ストリーマ)が互いに近づく。両者がつながると大電流が流れる。高い物体に雷が落ちやすいのはこのため。雷は、雲と地上の間で放電がつながることで発生する。

08⑦明るい雷光は「戻り放電」

先駆放電でつくられた通り道を、今度は大電流が下から上へ向かって流れる(戻り放電)。この強い放電が、私たちが見る明るい雷光の正体。電流で空気は一瞬で超高温になる。1回の雷で複数回の放電が同じ道を繰り返して起こることもある。豆知識:雷の通り道の空気は数万℃に達するとされる。

09⑧雷鳴はどうして起こる?

放電で空気が一瞬で非常に高温になる。熱せられた空気が急激に膨張する。その衝撃波(急膨張)で音波が生まれ、雷鳴になる。光が先、音があとに聞こえるのは光と音の速さの違いによる(光はすぐ届くが、音は遅れて届く)。豆知識:雷光を見てから音が聞こえるまでの秒数で距離を見積もれる。1秒 ≒ 約340m(音の速さ 約340m/s)。

10まとめ:雷はこうして発生する

①暖かい空気が上昇(地表が暖められ暖かく湿った空気が上昇する)→ ②積乱雲が発達(上昇した空気が冷やされ積乱雲が大きく成長する)→ ③氷粒の衝突で電荷分離(水粒やあられが衝突・摩擦し正・負電荷に分かれる)→ ④電場が強まる(雲内や雲と地上の間に電荷がたまり電場が強くなる)→ ⑤放電がつながる(電場が限界に達し空気の絶縁が破れて放電がつながる)→ ⑥雷光と雷鳴が発生(強い光が雷光となり空気の急膨張が雷鳴として聞こえる)。ポイント:雷の原因は雲の中の電荷の分離、空気の絶縁破壊で放電が始まり、見える強い光は戻り放電、音は急激な加熱と膨張で生じる。安全のために:雷注意報や空模様に注意し、屋外では高い物の近くを避け、安全な建物や車の中へ避難する。