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なぜ雲は白いのに虹は色があるのか
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自然科学・光と水滴のしくみ

なぜ雲は白く、虹は色があるのか

編集部

雲が白く見える「散乱」と、虹が色分かれする「分散」——同じ太陽の光が水滴との関わり方で全く異なる現象を生む。光の波長・屈折・内部反射のしくみを図解で丁寧に解説する教養サイエンス。

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01なぜ雲は白いのに虹は色があるのか

光・水滴・見え方のしくみをやさしく解説。①白い雲:たくさんの小さな水滴が光をまとめて散らす。②虹:水滴が光を色ごとに分ける。③違いのカギは「散乱」と「分散」。このスライドでは、光の性質と水滴の働きから、雲と虹の見え方の違いを理解する。

02白い光の中にはたくさんの色が入っている

虹の色は「新しく作られる」のではなく、もともと含まれている色が分かれて見える。太陽の光(白い光)はプリズムを通すと赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色に分かれる。波長の目安(ナノメートル):380nm(紫)〜750nm(赤)。①太陽の光は白く見えるが、実は多くの色の混ざり合い。②色ごとに波長が少しずつ違う。③この違いが虹では色分かれの原因になる。まず理解したいのは、白い光=1色ではなく、たくさんの色の集合だということ。

03なぜ雲は白く見えるのか

たくさんの小さな水滴が光をほぼ均等に散らすから。雲の中には半径が数〜数十マイクロメートルほどの小さな水滴がたくさんある。それぞれの水滴が入ってきた光をあらゆる方向に散らす。①雲は水滴や氷の粒の集まり(目に見えないほど小さな水滴が無数に集まっている)。②粒がたくさんあるので光は何度も散らばる(光は水滴に当たるたびにさまざまな方向へ何度も散らばる)。③色ごとの差があまり強く出ないため白っぽく見える(赤・緑・青などの光がほぼ同じように散らされるので、色が混ざって白っぽく見える)。④これをミー散乱として説明できる(雲の水滴は光の波長と同じくらいの大きさのときに起こるミー散乱が、雲を白く見せる主な理由)。雲では色を分けるよりも、光を全体として散らす働きが主役。

04白い雲が灰色や黒っぽく見えることもあるのはなぜ?

厚み・光の量・影の入り方で見え方が変わる。薄くて明るい白い雲(巻雲・積雲など):太陽光が雲の上面で散乱し、下側にもたくさんの光が届いて明るく白く見える(散乱)。厚くて暗い雨雲(積乱雲・高層雲など):雲の中で光が何度も散乱・吸収され、下側まで届く光が少なく、暗く灰色や黒っぽく見える。①雲が厚いほど内部で光が吸収・散乱される。②下側まで届く光が少ない。③観測者には暗い灰色に見える。④夕方や逆光ではさらに暗く見えやすい。雲の色が変わるのは、雲そのものに違う色の色素があるわけではない。雲の色の違いは「光の通りやすさ」と「影」の違い。

05虹はどうやってできるのか

雨粒の中で光が屈折し、内部反射して、もう一度外へ出る。①入射(太陽の光(白色光)が雨粒の表面に入る)。②屈折(雨粒の中で光が空気よりも遅くなり、進む向きが曲がる)。③内部反射(雨粒の内側の後ろ側で、光が鏡のように反射する)。④出射(もう一度雨粒の表面で屈折し、外に出るときに光が色ごとに分かれる)。太陽の光が雨粒に入り1回反射して外に出るとき、観測者の反対側の空に虹が見える。虹は「光が雨粒の中で進路を変える現象」として生まれる。

06なぜ虹では色が分かれるのか

色ごとに曲がりやすさが少し違うから。①白い光には複数の色(白い光は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫などの色の光が合わさったもの)。②色ごとに屈折率が少し違う(物質の屈折率は色によってわずかに異なり、紫の光ほど屈折率が大きい)。③雨粒の中で進む角度が分かれる(屈折率の違いにより色ごとに曲がる角度が変わり、赤は少し、紫は多く曲がる)。④その結果、観測者には帯状の色として見える(観測者の方向への出射角が色ごとに異なるため、虹は帯状の色に見える)。波長が短い光ほど大きく曲がりやすい。プリズムでも雨粒でも:赤=曲がりにくい(外側)、紫=よく曲がる(内側)。虹の色分かれの正体は「分散」。

07虹が見える位置には条件がある

太陽は後ろ、雨は前、見る角度はおよそ42度。太陽の光が雨粒に入り、1回反射して外に出るとき、おそよ42度の方向に集まって見える→虹になる。①太陽が低い位置にあると見えやすい。②観測者の背後に太陽が必要。③前方に雨粒が必要。④主虹は42度の方向に見える。虹は空のどこにでも出るのではなく、観測者と太陽と雨粒の位置関係で決まる。実際の見え方のイメージ:太陽(後ろ側)←観測者→雨(前方)の配置で虹が見える。

08虹が弧(アーチ)に見えるのはなぜ?

同じ角度の雨粒がたくさん集まって見えるから。本来は円に近い形:同じ角度の雨粒がつくる円錐と、視線が交わると円に近い形になる。地面があるので半円のように見えやすい:地面に隠れて上の部分だけが見えるため、半円のアーチに見える。飛行機からは円形の虹が見えることもある:地面の影響を受けない上の場所からは、円形の虹(グローリー)が見えることがある。主虹は外側が赤、内側が紫:太陽の光が雨粒の中で屈折・分散することで、外側が赤・内側が紫の順に見える。虹の形は「雨粒の並び」ではなく「同じ角度で届く光の集まり」で決まる。

09二重虹や虹の見え方のバリエーション

内部反射の回数が増えると、もう1本の虹が見えることがある。主虹(1回の内部反射):約42度の方向に見え、外側が赤・内側が紫の色の並び。副虹(2回の内部反射):約51度の方向に見え、色の順番は逆(外側が紫・内側が赤)。副虹は主虹よりも外側にでき、光がより多く散乱・吸収されるため色が薄く見える。①副虹は主虹の外側に出る。②色の順番は逆。③より光が弱くなるので薄い。④条件がそろうと霧虹・月虹などもある。虹は1種類ではなく、光の通り道の違いでさまざまな姿を見せる。

10まとめ:雲は散乱、虹は分散

同じ太陽の光でも、水滴との関わり方で見え方は大きく変わる。雲(白い雲):主役(たくさんの小さな水滴)、光の動き(光が水滴に当たりあらゆる方向に散乱する)、見え方(いろいろな色の光が混ざり合い白っぽく見える)、典型的な条件(晴れた空に浮かぶ雲)。虹:主役(空中の雨粒・比較的大きな水滴)、光の動き(光が雨粒に入り屈折・内部反射し再び屈折する)、見え方(光が色ごとに分かれ7色のアーチとして見える)、典型的な条件(太陽が背中にあり前方に雨粒があるとき)。雲=水滴が光をまとめて散らす。虹=雨粒が光を色ごとに分ける。自然の色は「光のふるまい」を知ると理解しやすい。雲と虹の違いを通じて、光学の基本である散乱・屈折・分散を学べる。