まずは雪の結晶ができる場所を見てみよう。①空気中の水蒸気が冷える:上空では気温が低く、水蒸気が冷やされていく。②ちりや小さな粒を核にして凍る:ちりや火山灰などの粒(凝結核)を中心に、水滴が凍って氷の粒ができる。③氷の結晶として成長しながら落ちてくる:氷の結晶は成長を続け、重くなると地上へ落下する。水蒸気→凝結核→氷晶→雪という流れで雪の結晶は生まれる。
六角形の秘密は、水そのものの形にある。水分子(H₂O)はH-O-Hが約104.5°の折れ曲がった形をしており、まっすぐではない。電気のかたよりがあり引き合いやすい(極性分子)。この性質が水素結合を生み、水分子同士が規則正しく引き合う。
凍ると、水分子は規則正しく並びはじめる。①水素結合で分子どうしが結びつく。②いちばん安定しやすい並びが六角形の網目。③この並びが雪の結晶の土台になる。液体の水では分子がばらばらに動いているが、氷の中では六角形に規則的に並ぶ。
結晶は、同じ条件の6本の方向へ成長しやすい。六角対称とは中心から等しい条件で6方向に広がる対称性のこと。①中心から6つの向きが生まれる。②各方向で氷が少しずつ積み重なる。③その結果、六角形や六本腕の形が現れる。
六角形の基本は同じでも、見た目はいろいろ。主な雪の結晶の形:板状(薄く平らなプレート状)、柱状(縦に長く伸びる柱状)、樹枝状(枝分かれが多い華やかな形)、針状(細く長く伸びる針状)。①気温が低いほど結晶の伸びる方向が変わる。②湿度(水蒸気)が高いほど枝分かれが増え複雑な形になる。③温度と湿度の組み合わせによってさまざまな美しい形が生まれる。
落ちてくる途中の環境の変化が、模様を描き分ける。上空から地上へ落下する間、−20℃低湿度→−10℃中湿度→0℃高湿度→−15℃低湿度といった異なる空気の層を通る。通る空気の層ごとに成長条件が変わり、少しの差が枝の伸び方を変えるため、同じ結晶はほとんどできない。六角形のルール×成長環境=多様な模様。
分子の並び方が6を基本にしているから。安定する六角形格子では分子がムリなく並び、最もエネルギーが低くて安定。五角形・七角形では角がきつすぎたりすき間ができたりして分子がきれいに並びにくい。①氷の結晶格子は六角形が基本。②5方向・7方向では分子がきれいに並びにくい。③例外的にゆがんだ形はあっても、基本の対称は6。見た目が少し乱れても、内部ルールは六角対称。
小さな結晶の中に、規則と美しさが共存している。中心にも六角形の名残がある。外側は条件によって複雑に変わる。細部まで見ても、基本の対称性は保たれる。拡大すると、中心核・六方向の枝・細かな枝分かれという六角形のルールが見えてくる。
雪の美しい形は、分子レベルのルールから生まれる。①水分子の形:曲がった形が結びつきを生む。②水素結合:規則正しい結晶をつくる。③六角形の格子:氷で最も安定しやすい。④成長環境:温度と湿度で模様が変わる。雪の結晶が六角形なのは、氷の内部構造が六角形だから。