
初級3
エネルギー・環境科学
再生可能エネルギー入門
編集部
風の力が電気に変わる仕組みを、ブレードの回転から送電まで図解で丁寧に解説します。陸上風力と洋上風力の違い、ピッチ制御やヨー制御といった制御技術まで網羅した再生可能エネルギー入門スライドです。
地表の温度差によって、空気の動き(風)が生まれます。まず太陽が地表を温め、次に温度差によって気圧差が生まれ、その気圧差を解消するために空気が移動して風になります。風は空気の流れで、風が強いほど得られるエネルギーも大きく、安定した風のある場所の選定が重要です。
まず風がブレードの面に当たることで、ブレードが回転し始めます。次にブレードの翼の形(エアフォイル形状)により揚力と抗力が生まれ、効率よく回転します。そしてブレードの回転エネルギーは、主軸や増速機を通じて発電機に伝わり、電気エネルギーに変換されます。風速が上がると回転力も増えます。
ブレードの回転を増速し、発電機に伝えます。低速軸(ブレードのゆっくりした回転を受け取る)から増速機・ギアボックス(回転数を上げる)を経て、高速軸(発電機が回りやすい速度)へと変換されます。機種によってはギアボックスを使わないダイレクトドライブ方式もあります。
まず風車の回転が回転軸を通じて発電機に伝わります。次に回転により磁界が変化し、コイルに電流が生じます(電磁誘導の原理)。そして生まれた電流が電力として取り出されます。風車は回るだけでなく、回転を電気へ変換してはじめて発電になるという点がここでの核心です。
発電した電気は、品質を整え電圧を上げてから送電線を通して電力会社の送電網へ届けられます。発電機から電力変換装置(インバーターなどで周波数と電圧を安定させる)を経て、変圧器(送電しやすい高電圧に変える)から送電線(電力会社の送電網へ接続)へとつながります。電気の行き先は家庭・建物、工場・事業所、EV充電などです。一部は蓄電池に貯める場合もあります。
まずナセルを左右に回転させて風を正面から受けるヨー制御で、風向きに合わせて正面を向けます。次に風の強さに合わせてピッチ角を変えるピッチ制御で、風が弱いときは角度を大きく(立てる)、強いときは小さく(寝かせる)調整します。また強風時はブレード角度を小さくして回転を抑え、機械への負担を減らします。安全のために一定以上の強風では停止することもあり、コンピューターが自動で制御しています。
どちらも基本の発電原理は同じです。陸上風力は建設しやすく保守しやすい一方、地形や騒音への配慮が必要です。洋上風力は強く安定した風を得やすく大型化しやすいという利点がありますが、建設・保守コストが高くなります。
風力発電の発電量は主に4つの要素によって決まります。まず風速(風が強いほど発電しやすい)、次にブレードの大きさ(受ける風の面積が大きいほど有利)、設置場所(地形・海上条件が影響する)、稼働率(点検や故障の少なさも重要)です。風速が上がると発電量が増えますが、強すぎる風では安全のため停止します。これらの要素がバランスよく整うことで効率よく安定した発電ができます。
今回は風力発電の仕組みについてお伝えしました。太陽による温度差で風が吹き、ブレードが回転し、回転が増速されて発電機で電気をつくり、整えて送電するという流れです。燃料を使わず発電時にCO₂をほとんど出さない一方で、自然条件に左右されるため制御技術と立地選びが重要です。風の力を社会で使える電気へ変える仕組みが風力発電です。