
初級3
エネルギー・自然科学
風力発電の仕組み
編集部
燃料を燃やした熱で蒸気をつくり、タービンを回して電気を生み出す火力発電の仕組みを解説します。石炭・LNG・石油の燃料の違いから、コンバインドサイクル発電など最新の高効率技術まで、日本のエネルギー基盤を支える火力発電の全体像がわかります。
火力発電ではさまざまな燃料の化学エネルギーを熱に変えて使います。石炭は安価で安定供給しやすいものの、CO₂排出量が大きいという特徴があります。LNG(液化天然ガス)はクリーンで効率が高く、近年の主力燃料の一つです。石油は調整しやすいですが、コスト面で常用は不安定な側面があります。バイオマス混焼は再生可能で、バイオマスを混ぜることで化石燃料依存を一部抑えられます。
燃料を燃やして水を加熱し、高温高圧の蒸気を生み出します。ボイラー内で燃料と空気を燃焼させ、発生した熱が水管の水を温めて蒸気に変えます。蒸気は高温・高圧になるほど後段の発電効率が高まります。排ガス処理設備で有害物質を低減することも重要で、ボイラーは「熱エネルギー」を生み出す心臓部です。
高温高圧の蒸気が羽根を押し、回転エネルギーに変わります。蒸気はノズルや羽根車を通りながら膨張し、その力でタービンの羽根と回転軸が回ります。熱エネルギーの一部が機械的エネルギーに変換されるこの装置がタービンです。大型の発電所では多段タービンで効率よくエネルギーを取り出します。
タービンの回転が発電機に伝わり、電磁誘導で電気が生まれます。タービンと発電機は同じ軸でつながっており、回転子が回ることで磁場が変化し固定子に電流が生じます。この現象を電磁誘導といい、作られた電気は次に変圧器へ送られます。回転運動を電気に変えるのが発電機の役割です。
使い終わった蒸気は復水器で冷やされ、再び水として回収されます。タービンを通過した蒸気はそのままでは再利用しにくく、復水器で冷却すると蒸気は水へ戻ります。冷却水は海・川・冷却塔などを利用することがあります。蒸気を真空に近い状態で抜くことはタービン効率の向上にも役立ち、復水器はサイクルを閉じるための重要設備です。
水→蒸気→タービン→復水→給水という循環で、連続して発電します。まず給水ポンプからボイラーへ、蒸気がタービンへ、そして復水器の順で循環し、復水した水はポンプで再びボイラーへ送られます。この循環により水を繰り返し利用できます。配管やポンプの圧力管理が安定運転に重要で、熱を効率よく回収するほど燃料のムダが減ります。火力発電は「水と熱の循環」で成り立っています。
発電所でつくられた電気は、変圧器で電圧を上げて送電されます。発電直後の電気はそのままでは遠くへ送りにくく、変圧器で高電圧にすると送電ロスを小さくできます。送電線で各地の変電所へ届け、変電所で使いやすい電圧に調整して家庭や工場へ供給します。発電だけでなく送電の仕組みも重要な役割を果たしています。
より少ない燃料で多くの電気をつくるため、火力発電は進化しています。コンバインドサイクル発電はガスタービンの排熱を回収して蒸気タービンで発電し高効率化します。超々臨界圧発電はより高温高圧の蒸気を使って効率を上げます。コージェネレーションは電気と熱(蒸気・温水など)を同時に活用する方式です。これらの効率向上は燃料コストとCO₂排出の抑制につながります。
今回は火力発電の仕組みについてお伝えしました。メリットとして安定供給しやすい、需要変動に対応しやすい、既存インフラが整っているという点があります。一方で課題としてCO₂排出、燃料価格の変動、脱炭素対応の必要性があります。高効率化・燃料転換・CCUSなどの技術が注目されており、再生可能エネルギーと組み合わせながら役割が見直されています。