共通祖先から無数の生物が生まれた理由を進化のしくみから考える。①生物の多様化とは1つの祖先から複数の種へ枝分かれしていくこと、②適応変異・自然選択・環境の違い・隔離・共進化などが要因。このスライドで見る5つの視点:遺伝的変異・自然選択・環境の多様性・地理的隔離・共進化と適応放散。多様化は生命の歴史そのもの。
進化は1本の直線ではなく枝分かれの歴史。共通祖先とは今いる複数の生物が昔さかのぼると共有していた祖先(約38億年前)。枝分かれの流れ:①集団に違いが生まれる、②環境や生活の違いが広がる、③交配しにくくなる、④別の種へ分かれる。系統樹は生物どうしの親戚関係を表す図。すべての生物はどこかでつながっている。多様化は分岐の積み重ねであり、絶滅した枝もたくさんある。
多様化の材料になるのは遺伝的変異。すべての生物の設計図はDNA。①突然変異:DNAで偶然に新しい特質が生まれる、②組み換え:親の遺伝子の組み合わせで多様な子が生まれる、③遺伝子漂流:小さな集団では偶然で特徴が分かれることがある。変異そのものに目的はないが違いがあるから進化が起こる。変異→個体差→選ばれ方の違い→多様化。多様化の第一歩は同じ集団の中に違いが生まれること。
環境に合う特徴を持つ個体ほど生き残りやすい。①変異がある、②環境に変化がある、③有利な個体が多く生存・繁殖して子を残す、④集団の特徴が変わる。自然選択とは生存や繁殖に有利な特徴が世代を超えて増えていくこと。同じ地域でも食べ物・天気・気候が違えば選られる特徴も変わる。選択が異なれば進化の方向も分かれていく。自然選択の積み重ねが多様な生物の流れを生み出す原動力になる。
多様な生息地が多様な生き方を生む。ニッチ(生態的地位)とは生物がどこで何を食べどう生きるかという役割や居場所。森林ではリス・キツツキ、海洋ではマグロ・イカ、砂漠ではラクダ・フェネック、草原ではシマウマ・プレーリードッグ、洞窟ではオオサンショウウオ・コウモリがそれぞれ異なる適応を持つ。進化の方向を変える主な要因:食べ物の違い・気温と水分の違い・天敵の違い・すみかの違い。同じ祖先でも別々の環境に進出すると必要な能力が変わり別々の進化が起こる。
地理的隔離は種分化を進める大きな要因。①もとの集団→②隔離で分断→③交流が減り互いの環境で違いが広がる→④違いが蓄積して別種に。地理的隔離とは集団の移動や交配が阻まれること。よくある障壁の例:島・山脈・湖・河川。代表例:ガラパゴス諸島のフィンチは隔離と環境の違いで多様化した代表例。会わなくなることが進化の分かれ道になる。
共進化・競争・捕食が新しい適応を引き出す。共進化:相手に合わせて互いに進化(例:花の蜜を吸う者の口の長さが互いに変化)。競争:同じ資源をめぐって役割分担が進む。捕食・被食:攻撃と防御のいたちごっこが起こる(すばやく逃げる足や強くなる甲羅などの特徴が分かれる)。生き物は環境だけでなく他の生物にも適応している。関係が複雑になるほど生き方の種類も増えていく。
空いた生態的地位にさまざまな生物が広がる。適応放散とは1つの祖先から異なる環境や役割に適応して多くの種へ広がること。①大きな変化・絶滅→②空いたニッチが増える→③新しい種が急速に増える。例1:恐竜絶滅後の哺乳類の広がり(中生代末の大量絶滅後、哺乳類はさまざまな体の大きさや生活形式に進化して陸上の多くの環境を占めた)。例2:ダーウィンフィンチのくちばしの分化(ガラパゴス諸島に渡った祖先鳥から食べ物や生活場所の違いに適応してくちばしがさまざまに分かれた)。空き席が生まれると多様化は加速しやすい。
進化は必然だけでなく偶然にも左右される。①長い時間:進化は何百万年もの積み重ねで起こる、②遺伝的浮標:小さな集団では偶然で特徴が分かれることがある、③創始者効果:たまたま移動した少数個体が新集団の遺伝的基点になる、④偶然の環境変化:気候や天敵などの予測できない変化が進化の方向を変える。同じ出発点でも、たどる道は1つではない。多様化は法則だけではなく歴史の偶然にも形づくられる。
生命の多様性は変異・選択・環境・隔離・相互作用の結果。①遺伝的変異:個体の設計書に差が生まれる、②自然選択:環境に適した特徴を持つ個体が生き残り子孫を残す、③環境の多様性:さまざまな生息地が異なる適応を可能にする、④地理的隔離:物理的な障壁が種の分化を促す、⑤共進化・適応放散:異なる種との影響やニッチへの進出が多様化を加速する。生物は生まれ、選ばれ、分かれ、関わり合う中で多様化してきた。多様化を知ることは生命の過去と未来を考えること。