生物はなぜ多様なのか、どうやって変化してきたのかを理解する。進化とは、生物の集団が世代を超えて変化していくこと。自然選択はその重要なメカニズム。この10枚でわかること:①進化の意味 ②自然選択の仕組み ③適応と具体例 ④進化の証拠 ⑤よくある誤解。先取り:進化は「個体の努力」ではなく世代を通じた遺伝的変化の蓄積であり、自然選択はその変化を方向づける重要な仕組み。
「個体が変わる」のではなく、「集団の性質が世代を通じて変わる」こと。一個体はその一生の間に進化しない。進化を考える3つの視点:①変異がある(個体間に形質の差がある) ②遺伝する(その差は親から子に伝わる) ③次世代で割合が変わる(遺伝性の変異を持つ個体が次の世代で多くの子孫を持つ)。進化とは「世代交代を通じて集団の遺伝的特徴の割合が変わること」。
観察から生まれた「生物は枝分かれしながら変化する」という考え。チャールズ・ダーウィンは世界各地での観察をもとに、生物の種は時代とともに変化し共通の祖先から分かれたと考えた。アルフレッド・ラッセル・ウォレスも独立に同じ考えにたどり着いた。観察→疑問→自然選択の発想→共通祖先。押さえたいポイント:①生物は固定不変ではない ②種は分岐して多様化する ③種は共通祖先を共有する。ダーウィンの核心は「環境に適した遺伝的性質が世代を通じて広まる」という説明。
変異・遺伝・生存と繁殖の差・環境という4つの条件が自然選択を生む。①変異:個体間にいくつかの性質の違いがある ②遺伝:その性質の違いはある程度親から子に伝えられる ③生存・繁殖の差:個体によって生き残りやすさや繁殖のしやすさに差がある ④環境による選択:ある環境ではある性質が生存・繁殖に有利になる。カムフラージュの例:捕食者に見つかりにくい色の個体が多く生き残るため、世代が進むと見つかりにくい色が増える。自然選択は「遺伝する違い」に対して環境がるいをかける過程。
食べ物の違いが、残りやすい形質の違いを生む。ガラパゴス諸島に生息するフィンチは共通の祖先から分かれた。島ごとに利用できる食べ物が異なるため、その環境で有利なくちばし形質をもつ個体が選択されるようになった。①太い強いくちばし:種子を割るのに有利 ②細長いくちばし:昆虫をとるのに有利 ③細くしなやかなくちばし:サボテンや花の資源に有利。自然選択は「その環境で役立つ形質」をもつ個体が多く子孫を残すことで進む。
「うまく生き残れる性質」は環境しだいで決まる。適応とは、ある環境の中で生物が生き残りやすく子孫を残しやすくなる性質のこと。完全なものではなく、あくまでもトレードオフがある。例:①シロクマの白い体と断熱(雪と寒冷地に有利) ②砂漠動物のとげ・水分保存(乾燥環境に有利) ③枯れ葉や岩に似た保護色(捕食回避に有利)。注意点:環境が変われば有利不利が変わる、多くの場合コストがある、適応的でなくなることもある。適応とは「その時その場所の環境で相対的に有利な形質」。
化石・形の比較・DNA・共通祖先と変化の歴史を示す複数の証拠が一致する。①化石記録:時代ごとに異なる生物が見つかり、変化の系列が確認された ②比較解剖:コウモリとクジラと人の骨が同じ構造(相同器官)をもつ ③DNA・分子:近縁な生物は遺伝子の類似度が高い ④生物地理:地域によって似た生態の独特な生き物が分布する。なかなか難しい疑問:一部の証拠だけでなく、生物を多方面から見ることで理解が深まる。進化論は1つの観察だけでなく、多方面の証拠が一致して支えている。
1つの集団が分かれ、長い時間の中で別々の種になる。1つの集団が地理的・生態的に分断されると、それぞれの集団に異なる自然選択が働き、遺伝的に別々の種へと進化していく。種分化の流れ:集団の分割→遺伝的相違→生殖的隔離→異なる種A・種B。共通祖先:異なる種でも、かつては同じ集団だったことを意味する(進化の木のイメージ)。分断・隔離の例:島の地理的隔離・山岳・川の流れなど。進化は直線ではなく、枝分かれしながら多様化する。
進化は「目的に向かう成長物語」ではない。よくある誤解と事実:①「進化は個体の努力で起こる」→進化は形質の変化が世代を通じて集団に広がるとき ②「適者は強いものだ」→「適者」はその環境でより多くの子孫を残しやすいということ ③「人間は現代のサルから進化した」→人間と他の霊長類は共通の祖先から分かれた ④「進化にはゴールや完成形がある」→進化は目的に向かったゴールはなく変化と環境によって形づくられる。ひとことで言うと:自然選択は「より多くの変異をより残しやすい」という統計的なプロセス。
多様な生物は、共通祖先から世代を通じて変化し、枝分かれしてきた。押さえるべきポイント:①進化は集団の変化 ②変異は自然に生じる ③自然選択は環境に適した形質を増やす ④適応は環境依存 ⑤証拠は多方面から一致する。ひとことで言うと:「進化」とは「世代を超えた変化の蓄積」であり、「自然選択」は「その変化を方向づけるしくみ」。進化論は生物の多様性を「共通祖先・変異・選択・時間」で説明する、現代生命科学の中心的な考え方。