
初級12
生命の多様性・ダーウィンの革命
個体差・生存競争・遺伝——この3つが揃うことで、有利な特徴が世代をこえて集団に広がっていきます。ダーウィンが発見した自然選択のメカニズムを、フィンチや抗生物質耐性などの具体例を通してわかりやすく解説します。このスライドでは、自然選択の出発点:個体差・なぜ生存競争が起こるのか・環境が「有利・不利」を決める・生き残りやすさと繁殖しやすさの差など、10枚のスライドでわかりやすく解説していきます。
自然選択の出発点は、同じ種の中にも個体差があることです。体の大きさ・体色や模様・くちばしの形・病気への強さなど、さまざまな違いが見られます。こうした個体差の源は、遺伝・突然変異・有性生殖による組み合わせにあります。
生物は多く生まれますが、食べ物・すみか・天敵・気候・病気といった資源は限られています。そのため、個体どうしの間で競争が起こります。こうした生存競争が、自然選択の重要な舞台となります。
どの特徴が有利かは、環境によって決まります。森では保護色が有利であり、寒い地域では厚い毛が有利です。また、硬い種が多い島では太いくちばしが有利になります。こうした「選択圧」とは、生き残りやすさに差を生む環境の条件のことです。有利な特徴も、環境が変われば不利になることもあります。
自然選択では「生き残ること」だけでなく、「どれだけ子孫を残せるか」も重要です。「適応度」とは、ある環境でどれだけ生き残り繁殖できるかの度合いを指します。よく誤解されますが、「最も強い個体」が選ばれるとは限りません。「その環境に合う個体」が有利になるというのが自然選択の本質です。
親に有利な形質があると、その一部は子にも受け継がれます。形質には遺伝するものがあり、体色・形態・行動などが例として挙げられます。有利な形質をもつ個体は子孫を残しやすく、そのため集団内でその形質が増えていきます。「形質」とは生物の特徴として観察できる性質を、「遺伝子」とは形質を子孫に伝えるための情報を指します。
自然選択による変化は、1匹や1羽が変身するのではありません。世代をこえて集団の性質の割合が変わることで起こります。個体は一生のうちに変化しませんが、有利な形質の割合が世代を重ねるごとに増えていきます。長い時間をかけて変化が積み重なることで、進化が目立つようになります。「進化」とは、世代をこえて集団の特徴が変わっていくことです。
ガラパゴス諸島のフィンチは、自然選択の代表例として知られています。島ごとにくちばしの形が違い、食べるものも違い、環境の違いに適応しています。太いくちばしをもつ個体は硬い種を、細いくちばしをもつ個体は虫や花の蜜を主食とします。干ばつで硬い種が増えると、太いくちばしの個体が生き残りやすくなるため、その割合が増えていきます。
薬に強い細菌が生き残り増えていく仕組みも、自然選択で説明できます。細菌にはもともと個体差があり、抗生物質を使うと弱い細菌が死にます。その結果、弱い細菌は減り、耐性をもつ細菌が残って増えていきます。これが効いていた薬が効きにくくなる「薬剤耐性」の問題です。重要な点は、細菌が努力して強くなるのではなく、もともと耐性をもつものが選ばれているということです。
今回は自然選択の仕組みについてお伝えしました。個体差・環境・遺伝がそろうことで進化が起こります。個体差があることで生存競争が生まれ、環境による選択が働き、遺伝と繁殖を通じて集団が変化していきます。覚えておきたい3つのポイントは、自然選択は目的をもたないこと、個体ではなく集団が変化すること、そして環境が変われば有利な特徴も変わることです。自然選択は生物が環境に適応していく基本メカニズムです。