
初級8
宇宙の始まり・進化・大構造
宇宙論
編集部
私たちが暮らす天の川銀河は、中心核・バルジ・円盤・渦状腕・ハローからなる棒渦巻き銀河です。超大質量ブラックホール「いて座A*」から太陽系の位置、ダークマターの痕跡まで、銀河の全体像を解説します。
天の川銀河は直径約10万光年・恒星数約1000億〜4000億個の棒渦巻き銀河です。主な構成要素として、銀河中心部にある棒状の星の集まり(バー)・中心部のコンパクトで明るい球形の集まり(バルジ)・ガス・チリ・星が広がる平らな部分(円盤)・銀河外側の広い球状領域(ハロー)があり、中心から外側に向かってこれらが重なっています。
天の川銀河の中心には超大質量ブラックホール「いて座A*」があり、その質量は約400万太陽質量です。バルジには古い恒星が多く星が非常に密集しており、銀河全体の構造を形成する基盤となる重力の強い領域です。
円盤は星・ガス・ちりが集まり新しい星や惑星系の形成が活発な領域です。若い星が多く活動的な薄い円盤と古い星が多い厚い円盤が重なっており、厚さは約1,000光年・直径は約10万光年で、銀河の直径に比べてとても薄い構造をしています。私たちの太陽系もこの円盤の中にあります。
天の川銀河の中心から外に向けて複数の渦状腕が伸びています。この部分は星間ガスやちりが多く星が生まれやすい領域で、若い星・星雲・星形成域が集中しています。主な腕としてペルセウス腕(外側の大きな腕)・オリオン腕(太陽系が属する局所腕)・いて座腕(銀河中心に近い活発な腕)があります。
太陽系は天の川銀河のオリオン腕(局所腕)に位置し、銀河中心から約2.6万光年で外側寄りにあります。銀河を1周するのに約2.3億年(銀河年)かかります。太陽系は銀河の端ではないが中心でもない、中間的な位置にあります。
天の川銀河の周囲はハローと呼ばれる広大な球状の領域が包んでいます。ハローは銀河の外側を広く包み、球状星団(古い星が多い集まり)がその中に分布しています。可視光ではまばらに見えますが、観測された回転曲線からダークマターの存在が示唆されています。
天の川銀河の中にはガスやちりが多く存在し、特に渦巻き腕では星を生み出す活動がとても活発です。ガスとちり→分子雲→原始星→新しい星という流れで星が生まれます。星間物質は星の材料であると同時に若い星の光を吸収するフィルターでもあり、天の川銀河は今も変化し続ける場所です。
天の川銀河は円盤状の構造を持ち、星やガス・太陽系も銀河の中心まわりを公転しています。太陽系の公転速度は毎秒約220kmで、銀河を1周するのに約2.3億年かかります。通常の物質だけでは予測と大きく異なる回転曲線を示すことがダークマターの存在を示唆しており、銀河は静止した円盤ではなくダイナミックに運動しています。
今回は、天の川銀河の構造についてお伝えしました。中心核・バルジ(超大質量ブラックホールと高密度の星)・円盤(ガスやちりが広がり星の生成が活発)・渦状腕(若い星や星雲が多い)・太陽系(中心から約2.6万光年のオリオン腕)・ハロー(古い星が多くダークマターが示唆される外周領域)という構造からなる棒渦巻き銀河で、直径約10万光年・今も変化し続けています。