
初級9
再生可能エネルギー
バイオマス発電の仕組み
編集部
地下の熱を電気に変える再生可能エネルギーが地熱発電です。地球内部の熱を利用して蒸気や熱水でタービンを回し、使った水を地下へ戻して循環させます。生産井→タービン→発電機→変圧器→送電線→還元井という流れで発電し、地下の熱エネルギーを安定して活用できる発電方式です。
地熱発電は熱・水・通り道の3つがそろうと発電しやすくなります。まず地下深くにマグマや高温岩体があり熱を供給する熱源が必要です。次に地面に浸み込んだ地下水が豊富に存在することが求められます。また地下の浸透性の高い岩盤に蒸気や熱水の貯留層があることと、水や蒸気が逃げないようにする不透水層があることも重要です。地熱発電は地下の熱源・水・地質構造が組み合わさる場所で成り立ちます。
地下深くの高温流体を地上へくみ上げます。まず深く井戸を掘り、次に高温の蒸気・熱水が上がってきます。地上で蒸気分離器により蒸気と熱水を分離し、蒸気は発電機側へ送り熱水は地下へ戻すか還元井へ向かわせます。地熱井は地下の状態に合わせて掘削深度や角度を調整します。生産井から高温の蒸気や熱水を取り出すことが発電の出発点です。
地下からくみ上げた蒸気の力でタービンの羽根を回します。タービンの回転が軸を通じて発電機に伝わり、発電機の回転によって電気がつくられます。そして変圧器で電圧を上げ送電線を通して遠くへ送ります。熱エネルギー→回転エネルギー→電気エネルギーという変換の流れで電力が生まれます。
還元井によって資源を持続的に利用します。タービンを回した蒸気を冷却して水に戻し、冷やした水を還元井から地下へ注入します。注入した水は地熱により地下で再び加熱されます。こうして地熱資源を繰り返し利用できる循環が成立し、使った水を地下へ戻すことで地熱資源を長く安定して活用できます。
地下の状態に合わせて発電方式が選ばれます。まずドライスチーム方式は地下から直接蒸気を取り出してそのままタービンを回す高温資源向きの方式です。次にフラッシュ方式は高圧の熱水をセパレータで減圧して蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回す高温資源向きの方式です。さらにバイナリー方式は熱水の熱で低沸点の作動流体を加熱しその蒸気でタービンを回す中温資源向きの方式で、比較的低温でも成立しやすい特徴があります。
地下の熱が電気になるまでを5ステップで整理します。まずマグマや高温岩体の熱で地下の水が温められます。次に生産井を通して地下から蒸気や熱水をくみ上げます。くみ上げた蒸気の力でタービンの羽根車を回し、タービンの回転を発電機に伝えて電気をつくります。最後に発電後の水を還元井から地下へ戻して循環させます。地熱発電は「くみ上げる→発電する→戻す」の循環で成り立つ仕組みです。
地熱発電は安定性と環境性に優れた再生可能エネルギーです。地下の熱を利用するため天気や季節に関係なく安定して発電でき、燃料を燃やさないためCO₂排出が比較的少ないという利点があります。また国内に豊富な地熱資源を活用できエネルギー自給率向上に貢献します。太陽光や風力と違い昼夜を問わず安定した電力供給が可能なことも大きな強みです。
地熱発電の開発には時間と地域との調和が必要です。地下の資源を調べる調査や試掘にかかる費用が大きく、調査・掘削コストが高いという課題があります。また火山や温泉地など地熱資源は特定の地域に偏っており適地が限られています。温泉の利用や自然環境への影響など地域との調整も求められ、高温の地下水や蒸気の成分による設備の腐食・スケール対策も必要です。技術開発や地域連携によって課題の軽減が進められています。
今回は地熱発電の仕組みについてお伝えしました。生産井で蒸気・熱水をくみ上げ、タービンを回して発電機で電気をつくり、送電した後は冷やして地下へ戻すという循環が特徴です。地下の熱を利用する、蒸気や熱水でタービンを回す、使った水は地下へ戻す、安定供給が期待できるという点が重要なポイントです。地熱発電は地球内部の熱を持続的に活用する循環型の発電方式として今後も注目されています。