雨が岩石を少しずつとかし、イオンをつくる。1.雨水は少し酸性:空気中の二酸化炭素(CO₂)が雨水に溶けて、弱い酸性になる。2.岩が風化される:弱い酸性の雨水が岩石の表面に触れると少しずつ溶かす。3.ミネラルが水に溶ける:岩石が溶けてイオン(電気を帯びた粒子)として水の中に取り込まれる。4.その水が川へ流れる:ミネラルを含んだ雨水が地表を流れ川となる。水に溶けたイオンの例:ナトリウムイオン(海の塩の主な成分)、カルシウムイオン(石灰岩などに由来)、塩素イオン(火山ガスなどに由来)、硫酸イオン(SO₄²⁻)。雨水と二酸化炭素がつくる弱い酸性の雨が岩石をとかし、さまざまなイオンを生み出すことが海の塩の出発点。
山から海へ、溶けた成分が旅をする。1.川の水には少量のイオンが含まれる:雨や地下水を源にし、ミネラルが溶け込む。2.目には見えなくても:水に溶けたイオンは、水の流れとともに運ばれる。3.世界中の川が海へ注ぐ:大きさもさまざまな川がすべて最終的に海へ流れ込む。4.長い時間で蓄積は大きい:毎年わずかずつでも、積み重ねると海への影響は大きい。川の水は見えないイオンを運び、長い時間をかけて海の塩の材料を届け続ける。
主役は塩化物イオンとナトリウムイオン。海水の主なイオンの割合(質量%):1.塩化物イオン(Cl⁻)約55.0%、2.ナトリウム(Na⁺)約30.6%、3.マグネシウムイオン(Mg²⁺)約3.7%、4.硫酸イオン(SO₄²⁻)約2.7%、5.カルシウムイオン(Ca²⁺)約1.2%、6.その他(カリウムイオンなど)約6.8%。出典:UNESCO(2010)など。海水は塩化物イオンとナトリウムイオンが中心。ほかにも多くのミネラル(イオン)が溶け込んでいる。
蒸発では水だけが空へ戻り、塩は残る。1.水は蒸発する:太陽の熱で海面の水が蒸発し、水だけが空へ戻る。2.塩は蒸発しにくい:塩などのミネラルは海面にとどまり蒸発しない。3.流入は続く:新たに川からミネラルを含んだ水が流入し続ける。4.長期間で海に塩が蓄積する:入るばかりで出ていきにくい状態が続き、塩はたまってきた。入る塩(新しいミネラルイオン)> 出ていく塩(蒸発・化学反応による)。海の水は川から流れ込んでも出ていく先がないため、海の塩分は上がり続ける。
海底火山と熱水噴出孔も海の化学に関わる。1.海底火山が活動する:海底火山からマグマが上昇し、火山ガスや熱が海水に伝わる。2.熱水が噴き出す:高温の熱水が海底の割れ目から噴き出し、さまざまな成分を溶かし込んでいる。3.鉱物との反応が起こる:熱水が周囲の岩石や鉱物と反応し、金属やミネラルなどの成分を海水に溶かし出す。4.海水の成分に影響する:冷えた熱水が広がり、海水の化学組成を変化させる。川からだけでなく海底からもさまざまな成分が海に加わり、海の化学環境をつくっている。
濃度が低く、流れ続けるから。1.イオン濃度がとても低い:川の水にはミネラルが少なく濃度が低い。2.常に新しい水が流れ続ける:雨や雪で薄められ流れ続けることで塩が薄い状態を保つ。3.途中で使われたり沈んだりする:カルシウムなどは植物が使用したり堆積物に取り込まれたりして減る。4.海は水が溜まり続ける:川から流れ込んできた水が行き場なく長い時間をかけて塩分が増してきた。イオン濃度の違い(目安):ナトリウム(Na⁺)川 数mg/L・海 約10,500mg/L、塩化物(Cl⁻)川 数mg/L・海 約19,000mg/L。濃度の違いはおよそ1 : 100〜1000。
平均的な海水の塩分は約3.5%。1.1000gの海水に約35gの塩類:海水1リットル(約1000g)には約35gのさまざまな塩類が溶け込んでいる。2.真水より密度が高い:塩類が溶けているため海水は真水より重く、体を浮かせやすい。3.味として塩辛く感じる:塩類が溶け込んでいるためです。4.場所により差がある:降水量や蒸発量、川の影響などで塩分は場所によって異なる。海水の構成:水分 約96.5%、塩類 約3.5%。外洋:約34〜37‰、内湾や河口付近:低くなることがある。
蒸発・降水・川の流入・氷の影響で変化する。1.蒸発が多い場所は塩分が高くなる。2.降水が多い場所は塩分が低くなる。3.川の流入が多い場所は塩分が低くなる。4.海流によって塩分が広がる。5.海底でも塩分が変化する。世界の海の塩分の例(表面):地中海 約38〜39‰(蒸発が多い)、大西洋 約35〜37‰、太平洋 約33〜36‰、紅海・ペルシャ湾 約38〜39‰(高い)、バルト海 約20〜30‰(低い)、赤道付近(降水が多い) 約30〜33‰。温かく乾燥した海は塩辛く、雨が多い場所は薄くなる。
陸と海と空の循環が、長い時間をかけて塩を集める。1.雨が岩石を少しずつ溶かす:雨水が岩石をとかしてミネラル(イオン)をつくる。2.川がミネラルを運ぶ:川や地下水がミネラルを長い時間をかけて海へ運ぶ。3.水だけが蒸発し塩は残る:水は蒸発して空へ戻るが塩はとどまる。4.長い時間をかけて塩がたまる:この繰り返しが何百万年もの時間をかけて海を塩辛くした。海の塩は、地球の循環が生み出した長期的な結果。