
初級3
地球科学・プレートテクトニクス
地震はなぜ起きるのか
編集部
海の塩の出発点は、雨が岩石をとかすところにあります。川が運んだミネラルが蒸発によって濃縮され、長い地球の歴史をかけて海が塩辛くなったメカニズムを解説します。塩の出発点は陸の岩石・川が塩の材料を海へ運ぶ・海に多い成分・なぜ海では塩がたまるのかなど、10枚のスライドでわかりやすく解説します。
雨水は空気中の二酸化炭素(CO₂)が溶けて弱い酸性になっています。この弱酸性の雨水が岩石の表面に触れると少しずつ溶かし、ミネラルがイオンとして水の中に取り込まれます。そのイオンを含んだ水が地表を流れて川となり海へ向かいます。ナトリウムイオン・カルシウムイオン・塩素イオンなどが代表的なイオンです。雨水と二酸化炭素がつくる弱酸性の雨が岩石をとかすことが、海の塩の出発点です。
川の水には少量のイオンが含まれており、雨や地下水を源にミネラルが溶け込んでいます。目には見えなくても、水に溶けたイオンは水の流れとともに運ばれます。世界中の川がすべて最終的に海へ流れ込み、毎年わずかずつでも積み重ねると海への影響は大きくなります。川の水は見えないイオンを運び、長い時間をかけて海の塩の材料を届け続けています。
海水のイオンの主役は塩化物イオン(Cl⁻)で約55.0%、次いでナトリウムイオン(Na⁺)が約30.6%を占めています。他にマグネシウムイオン(Mg²⁺)約3.7%、硫酸イオン(SO₄²⁻)約2.7%、カルシウムイオン(Ca²⁺)約1.2%などが含まれています。海水は塩化物イオンとナトリウムイオンが中心で、ほかにも多くのミネラルが溶け込んでいます。
太陽の熱で海面の水が蒸発すると、水だけが空へ戻り、塩などのミネラルは海面にとどまります。新たに川からミネラルを含んだ水が流入し続けるため、入るばかりで出ていきにくい状態が続きます。長期間にわたってこの仕組みが働いた結果、海に塩が蓄積されてきました。海の水は川から流れ込んでも出ていく先がないため、海の塩分は増し続けています。
海底火山からマグマが上昇し、火山ガスや熱が海水に伝わります。高温の熱水が海底の割れ目から噴き出し、周囲の岩石や鉱物と反応してさまざまな成分を溶かし込みます。冷えた熱水が広がることで、海水の化学組成に影響を与えます。川からだけでなく海底からもさまざまな成分が海に加わり、海の化学環境をつくっています。
川の水にはミネラルが少なくイオン濃度が非常に低い状態です。雨や雪で薄められて流れ続けることで塩が薄い状態を保っており、カルシウムなどは植物が使用したり堆積物に取り込まれたりして減っていきます。一方、海は川から流れ込んできた水が行き場なく長い時間をかけて塩分が増してきた場所です。ナトリウムや塩化物などのイオン濃度は川と海とでおよそ1対100〜1000の違いがあります。
平均的な海水の塩分は約3.5%で、海水1リットル(約1000g)には約35gのさまざまな塩類が溶け込んでいます。塩類が溶けているため海水は真水より密度が高く体を浮かせやすく、塩辛い味がします。塩分は場所によっても異なり、外洋では約34〜37‰ですが、内湾や河口付近では低くなることがあります。
蒸発が多い場所では塩分が高くなり、降水や川の流入が多い場所では塩分が低くなります。地中海や紅海・ペルシャ湾は蒸発が多いため約38〜39‰と高く、バルト海は約20〜30‰と低い塩分です。温かく乾燥した海は塩辛く、雨が多い場所では薄くなります。
今回は海がなぜ塩辛いのかについてお伝えしました。まず雨水が岩石をとかしてミネラル(イオン)をつくります。次に川や地下水が長い時間をかけてそのミネラルを海へ運びます。水は蒸発して空へ戻りますが塩はとどまり、この繰り返しが何百万年もの時間をかけて海を塩辛くしてきました。海の塩は地球の循環が生み出した長期的な結果です。