時計は時間の進み方を測る道具。日常では「1秒」は誰にとっても同じだと感じる。しかし物理学ではその前提が崩れる(速さや重力の影響で時間の進み方が変わる)。時間は「絶対」ではない。
相対性理論によれば時間と空間はひとつにつながっており、時間の進み方は「運動の状態(速度)」と「重力の強さ」によって変わる。時間と空間は切り離せない。観測者の状態で時間の進み方が変わる(E=mc²)。日常の常識(ニュートン力学)では説明できない現象を、相対性理論が解決した。
アインシュタインの特殊相対性理論によると、速く動く物体の時間は遅れて進む。光時計の例:静止している観測者(地上)とロケット内の観測者(高速移動)を比べると、光の速さは誰にとっても一定(約30万km/s)なため、速く動くほど光が進む道のりが長くなり1ティックにかかる時間が長くなる。高速移動 = 時間の遅れ。
アインシュタインの特殊相対性理論が示す「時間の遅れ」を考える代表的な例。地球に残る双子(30歳→40歳)vs 高速で宇宙旅行をする双子(30歳→39歳と数ヶ月)。戻ると旅した方がわずかに若い=時間の進み方が遅くなっていた。極端な例だが、理論的にこのようなことが起こることが示されている。
これは一般相対性理論の効果。重力は時空のゆがみとして表される。重力が強いほど時間はゆっくり進む。強い重力 = 時間の遅れ。一般相対性理論によると、重力が強い場所では時空がゆがみ、その結果、時間の進み方が遅くなる。
高い場所の時計はわずかに速い。重力が弱いほど時間は速く進む。「速い・遅い」は比べてはじめて分かる。山の頂上の時計は山の麓よりわずかに速く進む。ブラックホール付近でも同じことが起こり、ブラックホールから遠い位置では時間は速く進み、近い位置では遅く進む。重力が弱い場所ほど相対的に時間は速く進む。
GPS衛星の時計は地上の時計と比べて「速く進みやすい要因」と「遅れやすい要因」を両方受けている。衛星は高速で動く→時間は遅れやすい(特殊相対性理論)。衛星は地上より重力が弱い→時間は速く進みやすい(一般相対性理論)。その差を補正しないと位置がずれる。差は1日あたり数十マイクロ秒規模で、補正しないと年間で数千kmの位置誤差が生じる。GPSは相対性理論に基づく「時間補正」を行うことで、正確な位置情報を提供している。
誰にとっても共通の「絶対時間」はない。ある観測者にとっての同時刻は、別の観測者にとっては同時刻ではない。速度と重力が時間の進み方を決める。「時間の速さ」は原子時計を使った実験や人工衛星(GPS)で既に確認されている。相対性理論の世界では時間が速くなったり遅くなったりするが、ニュートン力学の世界では時間は変わらない。時間は「絶対」ではなく、観測者の運動状態と重力環境によって決まる相対的なものである。
①速く動くと時間は遅れる ②重力が強いと時間は遅れる ③時間の進み方は観測者によって異なる。私たちが当たり前と思う「時間」は、宇宙では柔軟に変化する。相対性理論は、時間の本質を教えてくれる。