知識は競争力の源泉。野中郁次郎・竹内弘高が提唱した知識創造理論。①個人の経験・勘(個人の中にある暗黙知)→②共有と変換(対話や仕組みで知を変換・共有)→③組織の知・イノベーション(組織の知として蓄積し、新しい価値を創出)。企業の強みはモノだけでなく知識にある。知識は個人の中に眠るだけでは価値になりにくい。SECIは知識を組織的に創造・活用する仕組みを示す。目的:個人知を組織知へ高め、継続的なイノベーションを生む。
SECIモデルの出発点。暗黙知:経験・勘・ノウハウ・直感・コツ。言語化しにくく、人の行動や感覚に埋め込まれた知識。形式知:マニュアル・数値・図面・仕様書・手順。言語や文書として共有しやすい知識。SECIはこの2つの知識を相互変換するプロセス。強い組織は、暗黙知を形式知化し、再び現場で活かす。
共同化(Socialization):体験を共有して暗黙知を伝える。表出化(Externalization):対話や図解で知識を言語化する。連結化(Combination):複数の形式知を組み合わせる。内面化(Internalization):実践を通じて自分の知にする。知識のスパイラル:暗黙知と形式知が相互に変換され、らせん状に拡大していくプロセス。この循環が繰り返されることで、知識は個人→チーム→組織へと拡大する。
暗黙知→暗黙知。観察・模倣・共同体験を通じて、言葉にしにくい知識を共有するプロセス。OJT・同行:先輩と一緒に業務を行い、動きや判断を学ぶ。現場観察:実際の業務や場面を見て学ぶ。雑談・共同作業:日常の会話や協力を通じて、考え方やコツを共有する。例:熟練営業の商談同席から、話し方や間の取り方を学ぶ。ポイント:同じ場と体験を共有することが重要。
暗黙知→形式知。対話・比喩・図解・言語化によって、個人の感覚やノウハウを共有可能な形にする。対話:経験や考えを対話を通じて引き出す。比喩:たとえ話やストーリーでイメージを共有。図解:図やモデルで構造や関係性を可視化する。言語化:言葉にして明確に表現し記録する。例:トップ営業のコツをヒアリングし、「良い商談の型」として文書化する。難しいポイント:暗黙知はそのままでは説明しにくいため、対話の質が重要。
形式知→形式知。既存の文書・データ・知見を収集し、整理・編集・統合して新たな知識体系をつくる。収集(必要な文書・データ・知見を幅広く集める)→分類(内容や目的に応じて整理・分類する)→統合(重複や不足を調整し、組み合わせてまとめる)→体系化(構造化・可視化し、使いやすい形にする)。例:営業報告・顧客データ・成功事例を統合し、提案テンプレートを作る。成果:知識が再利用しやすくなり、組織全体の再現性が高まる。
形式知→暗黙知。形式知として整理された内容を、実践・訓練・経験によって自分の知識として身につける。①形式知を理解する(マニュアル・資料など)→②訓練・ロールプレイで試す・練習する→③振り返り・気づきを得て理解を深める→④実務で活用し、自分のものにする。内面化の主な方法:実践(実際の仕事や業務で使ってみる)・訓練(反復練習やロールプレイで体に覚えさせる)・振り返り(経験を振り返り、気づきを明確にする)・学習(知識を補強・深化させ、理解を定着させる)。例:マニュアルを読み、ロールプレイと実務を通じて商談スキルを体得する。形式知が現場で使われて初めて、新しい暗黙知として定着する。
知識創造が回る組織の特徴。①意図:目指す方向やビジョンが明確。②自律性:現場に裁量がある。③揺らぎ・創造的混沌:問題意識が生まれる。④冗長性:情報が重なり合い共有される。⑤必要な多様性:多様な視点がある。知識創造は、個人の能力だけでなく、組織の環境設計によって加速する。心理的安全性・対話と協働・時間と余白・学びと挑戦の文化・継続的改善。
個人知を組織知へつなげる。①体験を共有する(先輩・同僚と体験や気づきをオープンに共有する)→②対話で言語化する(対話を通じて気づきや考えを言葉にする)→③文書・データとして整理する(知識を構造化し、文書やデータとして残す)→④現場で実践する(知識を現場で活用し、価値を生み出す)→⑤学びを再び共有する(実践から得た学びを再共有し、次の成長へつなげる)。SECIは知識を循環させるモデル。暗黙知と形式知の往復が価値を生む。継続的に回すことで、組織学習とイノベーションが進む。SECIを回し続ける組織ほど、学習し、強くなる。