
初級21
問題解決 / ビジネス思考
なぜなぜ分析
編集部
「使う人に深く共感し、試しながら改善していく」デザイン思考は、正解が見えにくい時代に価値を生み出すための問題解決法です。共感・問題定義・発想・試作・テストの5ステップを繰り返すことで、ユーザーの本当の課題に寄り添ったアイデアを育てることができます。
デザイン思考が重要なのは、正解が見えにくい時代にユーザー視点で価値を生み出すためです。作り手の思い込みで進んでしまう・本当の課題があいまい・作ってから失敗に気づくといった問題を解決します。ユーザー理解が深まり・課題のズレを減らし・小さく試して早く学べる・新しい価値を生みやすくなるというメリットがあり、最初から完璧に作ることよりも早く学ぶことを大切にします。
デザイン思考は、行き来しながら進む反復プロセスです。共感(ユーザーを深く知る)→問題定義(本当に解くべき課題を定める)→発想(多くの解決策を考える)→試作(素早く形にする)→テスト(使ってもらい学ぶ)という5ステップで構成されます。順番どおりに一度で終わるのではなく何度も戻りながら磨き、学びを次に活かすことが重要です。「理解する→絞る→広げる→作る→確かめる」という流れで覚えるとよいでしょう。
最初のステップは、ユーザーの行動・感情・本音を理解することです。インタビューをする・行動を観察する・体験を追体験する・気持ちや困りごとを整理するという方法を使います。見るポイントは「何をしているか(行動)」「どう感じているか(感情)」「なぜそうするのか(背景)」の三つです。聞いたことだけでなく実際の行動を見ることが大切で、この共感から得られる「気づき(インサイト)」がプロセス全体の土台となります。
観察した事実から本当に解くべき課題を言語化するステップです。事実を整理して共通する悩みを見つけ、本質的な原因を考えて解くべき問いを明確にします。「ユーザー+ニーズ+インサイト」の形で問題を定義することが重要で、解決策ではなく課題に集中し、広すぎず狭すぎずユーザー視点で書くことが良い問いの条件です。「忙しい共働き家庭が夕方の買い物ストレスを減らすには?」のような問いが良い例です。
まず量を出し、そのあとに良いアイデアを磨くのが発想ステップです。最初は質より量・批判を後回しにする・他人の案に乗る・大胆な案も歓迎するという基本ルールのもと、ブレインストーミング・マインドマップ・How Might We・8案スケッチなどの方法を使います。広げる(たくさん出す)から絞る(有望案を選ぶ)という流れで、複数の解決アイデアと有望な方向性を見出します。
アイデアを低コストで素早く見える形にするのが試作ステップです。考えを共有しやすくする・早くフィードバックを得る・大きな失敗を未然に防ぐことが目的です。手書きスケッチ・画面ワイヤーフレーム・紙の模型・簡単なロールプレイなどが試作の例で、高精度である必要はなく学べる状態であれば十分です。完成品を作るのではなく、学ぶための道具として試作することが大切な姿勢です。
実際に使ってもらい改善のヒントを得るテストステップでは、使い方は自然か・迷う場面はどこか・期待した価値を感じているか・次に何を直すべきかを観察します。試作品を見せて使ってもらい反応を観察して改善点を整理するという流れで進め、説明しすぎない・良い悪いの理由を聞く・防御せずに学ぶという姿勢が重要です。テスト後は学びをもとに共感・問題定義・試作へ戻り、プロセスを繰り返します。
デザイン思考の流れを買い物アプリ改善の例で見てみましょう。まず共感として忙しい共働き家庭に話を聞き、問題定義として「夕方の買い物が負担で欲しい物を素早く買えない」という課題を設定します。発想で事前注文・おすすめ提案・時短導線を考え、試作で注文画面の簡易ワイヤーを作り、テストで実際の利用者に使ってもらって改善します。「探す時間が減る・買い忘れが減る・ストレスが減る」という価値を生み出すことができます。
今回は、デザイン思考についてお伝えしました。使う人から考える・課題を正しく定義する・多くの案を出す・すばやく試作する・テストして改善するという5つのステップを繰り返すユーザー中心の問題解決法です。まず1人のユーザーに話を聞き・困りごとを1つ定義し・小さな試作を作って試すという小さな一歩から始めることができます。完璧な答えを最初から当てにいくのではなく、学びながら良くしていくことがデザイン思考の核心です。