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ロバーズ・ケーブ実験
0110
社会心理学 / 1954年

ロバーズ・ケーブ実験

編集部

1954年にムザファー・シェリフが行ったロバーズ・ケーブ実験は、集団の形成・対立・和解を実験的に検証した社会心理学の古典です。少年キャンプ場を舞台に、競争が偏見と敵意を生み、共通目標への協力が関係を改善することを実証しました。現実的集団葛藤理論を支持するこの知見は、今日の職場・国際関係・地域対立の理解にも活きています。

本スライドは一次資料をもとに運営者が企画・監修し、AIツールを制作補助として活用したオリジナルの教養コンテンツです。
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01ロバーズ・ケーブ実験

1954年にムザファー・シェリフが行ったロバーズ・ケーブ実験は、集団の形成・対立・和解を実験的に検証した社会心理学の古典です。

02背景と研究目的

ロバーズ・ケーブ実験は、集団がどのように作られるのか、競争は対立や偏見を生むのか、そして共通目標による協力で関係は改善するのかという問いに答えようとした研究です。研究者のシェリフは、集団の形成過程、集団間の対立が生じる過程、そして協力による和解の過程を実験的に明らかにしようとしました。この三段階の流れを一連の実験で検証した点が、この研究の大きな特徴です。

03参加者と実験設定

実験には11〜12歳の少年22名が参加しました。参加者は社会経済的に似た家庭環境の少年たちで、夏のキャンプ場を舞台に2つのグループに分けて観察が行われました。Aグループ11名とBグループ11名にそれぞれ独立した生活エリアが割り当てられ、食堂や運動エリアなど共用スペースも設けられた環境で実験が進行しました。

04第1段階:集団形成

2つのグループは最初、互いに接触しない状況でキャンプ内のそれぞれのエリアで生活しました。共同作業や遊びを通じて仲間意識が芽生え、グループ名やルール、シンボルが自然と生まれました。Aグループは「イーグルス」、Bグループは「ラトラーズ」と名乗り、それぞれが「自分たちのやり方が一番だ」という内集団意識を形成していきました。

05第2段階:競争による対立

次に報酬をかけた競争場面が設定され、対立が生じる過程が観察されました。競技やゲームで勝敗を競い、賞品をめぐって対抗意識が強まりました。やがて悪口・敵意・妨害行動が現れ、2つのグループ間の対立は急速に高まっていきました。

06第3段階:協力による関係改善

シェリフは、両グループが協力しなければ達成できない「上位目標」を導入しました。水道トラブルの解決や、動かないトラックをみんなで引くといった共通の課題に取り組む中で、グループ間の敵意が少しずつ弱まっていきました。共通の利害が協力を促し、対立から和解へと向かう過程が実証されました。

07主な結果

実験の結果、集団は短期間でも強い結束を作ることがわかりました。同じ集団に所属するだけで、仲間意識や忠誠心が急速に高まります。また、限られた資源や勝敗をめぐる競争は他集団への偏見や敵意を強める一方で、協力して上位の目標に取り組むことで敵意が減少し、相互理解が進むことも明らかになりました。

08この実験が示したこと

この実験は、現実的集団葛藤理論を実証的に裏づけるものとなりました。現実的集団葛藤理論とは、限られた資源をめぐる競争が集団間の対立や偏見を生み出すとする理論です。また、資源や報酬の競争が対立を生みやすく、対立を超えるためには共通の利害が重要であることが示されました。

09批判と倫理的課題

ロバーズ・ケーブ実験は集団間対立のメカニズムを実証し、問題解決の可能性を示した点で意義深い研究です。一方で、参加者が少年のみで一般化に限界があること、実験場が日常社会と乖離していること、そして少年たちに意図的に対立を引き起こした倫理的問題も指摘されています。現代ではインフォームド・コンセントやプライバシー保護など厳しい研究倫理が求められるため、同様の実験は現在では許可されない可能性があります。

10まとめと現代への応用

今回はロバーズ・ケーブ実験についてお伝えしました。競争は対立を強め、共通目標への協力は対立を和らげるというこの知見は、学校や職場のチームづくり、国際関係や地域対立の理解、そして共通課題を設定した協働の重要性など、現代のさまざまな場面に活かすことができます。対立を超える鍵は「共通の目標」にあります。

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