ホーム/心理/自己決定理論
自己決定理論
動機づけ心理学

自己決定理論

編集部

やる気の「量」ではなく「質」に注目した自己決定理論(SDT)を図解します。デシとライアンが提唱した3つの基本的心理欲求(自律性・有能感・関係性)と動機づけの連続体を理解し、内発的動機づけを育てる環境づくりのヒントを学べます。

1012分初級2
INDEX
← →キーボードで移動
RELATED

同じカテゴリのスライド

COMMENTS

コメント

まだコメントがありません。最初のコメントを投稿してみましょう。
0 / 1000
TEXT

テキスト版で読む

01自己決定理論

自己決定理論は、1980年代にエドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した動機づけの心理学理論です。やる気の「量」ではなく「質」に着目し、自律性・有能感・関係性という3つの基本的心理欲求が意欲の持続を左右すると主張します。このスライドでは、内発的動機づけと外発的動機づけの違いを中心に解説します。

02自己決定理論とは何か

自己決定理論は、やる気の『量』だけでなく『質』に注目する心理学理論です。提唱者はエドワード・デシとリチャード・ライアンで、外からの統制(報酬・圧力)による動機づけは一時的・条件つきであるのに対し、自律的な動機づけ(興味・価値・目的)は持続的で自分の選択に基づくとしています。やる気には質の違いがあり、強制よりも「自分で選ぶ感覚」が重要であり、基本的心理欲求が満たされると意欲・学習・幸福感が高まりやすくなります。

033つの基本的心理欲求

自己決定理論の中心には、誰にでも共通する3つの心理欲求があります。まず「自律性」は、自分で選び、納得して行動している感覚です。また「有能感」は、できる・上達していると感じられる感覚です。さらに「関係性」は、他者とつながり、受け入れられている感覚です。この3つが満たされるほど、主体的な行動や内発的動機づけが生まれやすくなります。

04自律性(Autonomy)

自律性とは、「自分で選び、自分の意志で行動している」と感じられることです。なお、自律性は「わがまま」や「孤立」とは異なります。選択肢がある、行動の理由が共有される、意見が尊重されるといった場面で自律性は高まります。一方、命令や押しつけばかり、監視・管理が強すぎる、罰や脅しで動かすといった場面では損なわれます。「自分で決めた」という感覚は、継続的なやる気を支える重要な基盤です。

05有能感(Competence)

有能感とは、「できる」「上達している」と実感できることです。適切な挑戦、練習・試行錯誤、具体的フィードバック、達成感・成長実感というサイクルによって育まれます。学習では少し難しい課題に取り組むこと、仕事では役割が明確で成果が見えること、運動では練習で記録が伸びることが有能感を高める具体例です。難しすぎても簡単すぎてもやる気は下がりやすく、「努力すればできる」という感覚が挑戦を支えます。

06関係性(Relatedness)

関係性とは、「人とつながっている」「受け入れられている」と感じられることです。信頼・共感・承認・所属感といったキーワードで表されます。話を聴く、気持ちを尊重する、助け合えるといった関わりが関係性を高めます。逆に、無視する・否定する・孤立させるといった関わりは関係性を損ないます。安心できる人間関係は挑戦や学びへの土台になり、人は「大切にされている」と感じると力を発揮しやすくなります。

07動機づけの連続体

自己決定理論では、動機づけは「ない/ある」ではなく、連続体として捉えられます。①無動機(やる意味が分からない)から始まり、②外的調整(報酬・罰のため)、③取り入れ的調整(罪悪感・見栄で動く)、④同一化的調整(大切だと納得している)、⑤統合的調整(自分の価値観と一致している)、⑥内発的動機づけ(楽しい・面白いからやる)へと続きます。左から右へ進むほど行動はより主体的で持続しやすくなります。

08内発的動機づけを高める環境

やる気を「管理する」より、欲求を「支える」環境づくりが重要です。自律性を支えるには選択肢を与え、理由を伝え、意見を聴くことが大切です。有能感を支えるには適切な難易度・具体的フィードバック・小さな成功体験が有効です。関係性を支えるには安心できる関係・尊重・協力が必要です。なお、過度な報酬・監視・比較は内発的動機づけを弱めることがあるため注意が必要です。支援的な環境は、自発性・学習・継続を育てます。

09教育・職場・育成への応用

自己決定理論は、学び・仕事・成長支援のあらゆる場面で役立ちます。教育では学び方に選択肢を持たせ、形成的フィードバックを行い、協働学習でつながりをつくることが有効です。職場では目的と期待を明確に共有し、裁量や工夫の余地を与え、成長実感が得られる仕組みをつくることが大切です。子育て・スポーツでは頭ごなしに命令せず、努力や工夫を具体的に認め、安心できる関係を保つことが重要です。統制より支援のほうが、長期的なやる気につながります。

10まとめ

自己決定理論のポイントは5つに整理できます。人は本来、主体的に成長しようとする存在です。基本的心理欲求は「自律性・有能感・関係性」の3つであり、欲求が満たされると意欲・学習・幸福感が高まりやすくなります。動機づけには連続体があり、より自律的な形ほど持続しやすくなります。そして、よい環境づくりが自発性を育てます。「どう動かすか」より「どう支えるか」が重要というこの視点は、教育・職場・育成のあらゆる場面に生かせます。今回は自己決定理論についてお伝えしました。

この学びを保存しませんか?
無料登録でお気に入り・読了記録が使えます。Googleで30秒。
無料で登録詳しく見る