17世紀の万能学者ライプニッツが晩年に著した形而上学の精髄です。世界は「モナド」と呼ばれる無数の単純実体から成り、各モナドは外部と交流せずに宇宙全体を内側から映し出すという独創的な宇宙論を展開する。このスライドでは、ライプニッツとは誰か・モナドとは何か — 世界を構成する最小の実在・モナドの4つの特徴・知覚と欲求 — モナドは内側から変化するなど、10枚のスライドでわかりやすく解説していきます。
合理主義を代表する17世紀の万能学者。1646〜1716年、ドイツの哲学者・数学者。デカルト、スピノザと並ぶ大陸合理論の代表。微積分法・論理学・法学・外交でも活躍。1714年に短い著作『モナドロジー』を執筆。世界を「単純実体」の集合として捉えた。背景: 近代科学と形而上学を統合しようとした。
モナドの定義: モナド=分割できない「単純実体」。物質の粒ではなく、形而上学的な存在単位。それぞれが独自の内的状態をもつ。各モナドはそれぞれの仕方で宇宙全体を映し出す。ライプニッツはモナドを「自然の真の原子」とみなした。
単純・不可分・非物質・窓がない。単純性: 部分をもたない(モナドは内部に部分や構造をもたず、単純である)。不可分性: 物理的に分解できない(どのような方法でも物理的に分割したり、切り離したりすることはできない)。非物質性: 広がりをもつ物体ではない(モナドは空間的な広がりをもたず、物質的な性質を備えていない)。窓がない: 外から何かが入り込むことはない(モナドには窓がなく、外部から影響を受けたり、物が入り込んだりすることはない)。変化は外部刺激ではなく、モナド自身の内的原理から生じる。
モナドは静止した粒ではなく、絶えず変化する。知覚には明晰なものから微小で曖昧なものまで連続がある。知覚が現在の状態を表し、欲求が次の状態への移行を生む。この循環の連続が、モナドの内的な変化(発展)である。知覚: 世界を映し出す内的表象。欲求: ある状態から次の状態へ移る内的傾向。例: 海の轟きは、無数の小さな知覚の総和として経験される。
相互作用せずに、なぜ世界は一致して見えるのか。モナド同士は直接に因果作用しない。それでも世界は秩序だって対応している。その理由は、神が最初から全体を調和するよう設定したから。心と身体の一致も、この予定調和で説明される。調和は「外から合わせる」のではなく、最初から組み込まれている。
神: 完全で最高のモナド。精神: 理性と自己意識をもつ、人間のモナド。魂: 記憶をもつ、動物的なモナド。裸のモナド: ごく曖昧な知覚のみ。違いは「種類」よりも、知覚の明晰さと反省能力の度合いにある。
心と身体はどう対応するのか。二つの時計は独自に進むが、ぴたりと同じ時刻を示す。心が身体を押し動かすわけでも、身体が心を直接生むわけでもない。両者はそれぞれ独自の系列で進む。それでも経験上はぴたりと対応して見える。この見かけの一致を説明するのが予定調和。デカルトの相互作用説とは異なり、因果的接触を想定しない。
何が魅力で、どこが難点なのか。意義: 個体を独自の視点として捉える、心・世界・神を一つの体系で説明しようとした、近代合理主義の完成形の一つ。批判: 経験的に確かめにくい、「窓のない」実体が世界を映す仕組みが難解、神による予定調和に依存しすぎるという指摘。後のドイツ哲学や観念論にも大きな影響を与えた。
①世界は無数のモナドから成る ②モナドは単純・不可分・非物質的である ③各モナドは宇宙をそれぞれの仕方で表現する ④調和は相互作用ではなく予定調和によって成り立つ ⑤モナドロジーは近代合理主義の壮大な体系である。ライプニッツは、多様な個体の世界を「調和する多元性」として描いた。