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ヒッグス粒子と質量の起源
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素粒子物理学

ヒッグス粒子と質量の起源

編集部

「なぜ物質には質量があるのか」という根本的な問いに、20世紀物理学が出した答えがヒッグス機構だ。宇宙に満ちるヒッグス場と粒子の相互作用から標準模型の全体像まで、2012年のCERN発見の意義をやさしく図解する。

本スライドは一次資料をもとに運営者が企画・監修し、AIツールを制作補助として活用したオリジナルの教養コンテンツです。
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01ヒッグス粒子と質量の起源

「なぜ物質には質量があるのか」という根本的な問いに、20世紀物理学が出した答えがヒッグス機構です。宇宙に満ちるヒッグス場と粒子の相互作用から標準模型の全体像まで、2012年のCERN発見の意義をわかりやすく解説します。このスライドでは、そもそも質量とは何か・素粒子の世界と標準模型・ヒッグス場は宇宙を満たしている・粒子はどうやって質量を得るのかなど、10枚のスライドで解説していきます。

02そもそも質量とは?

質量は、物体が動き方を変えにくい性質「慣性」を表す量です。押したり引いたりしても加速しにくいほど質量が大きく、ニュートンの運動の第2法則F=maで表されます。重さが重力の大きさによって変わるのとは異なり、質量は月でも宇宙でもどこにいても変わりません。ヒッグス機構は素粒子に質量を与える仕組みの一つとして知られており、私たちが観測する質量の多くは宇宙のヒッグス場との相互作用から生まれています。

03素粒子の世界と標準模型

素粒子の標準模型では、物質をつくるクォークとレプトン、力を伝えるゲージ粒子、そしてヒッグス粒子が体系づけられています。クォークにはアップ・ダウン・チャーム・ストレンジなど第3世代まであり、レプトンには電子・電子ニュートリノ・ミューオンなどがあります。力を伝えるゲージ粒子には光子(電磁力)・グルーオン(強い力)・W/Zボソン(弱い力)があります。ヒッグス粒子はすべての素粒子と相互作用し、その強さが粒子ごとの質量の大きさを決めます。

04ヒッグス場は宇宙を満たしている

ヒッグス場は、見えない「場」として宇宙のあらゆる場所に広がっています。たとえ何もない真空の空間でも、ヒッグス場の値はゼロではありません。ヒッグス粒子(ヒッグスボソン)はこのヒッグス場から生まれる存在と考えられています。すべての素粒子はヒッグス場の中を動いており、粒子がどれだけヒッグス場に「引っかかるか」の強さが、その粒子の質量の大きさを決めます。

05粒子はどうやって質量を得るのか

粒子の質量はヒッグス場との相互作用の強さで決まります。ヒッグス場と相互作用しない粒子は質量ゼロで、水を泳ぐように軽やかに動きます。一方、強く相互作用する粒子は砂の中を歩くように動きにくく、大きな質量を持ちます。たとえばトップクォークは相互作用が非常に強く質量173GeVと重く、電子は弱くて0.511MeV、ニュートリノはほぼ相互作用なしでほぼゼロです。場との結びつきの強さの差が、素粒子の多様な質量を生んでいます。

06なぜ光子は質量を持たないのか

光子(γ)は電磁気力の担い手ですが、ヒッグス場とほとんど相互作用しないため質量をまったく持たず、光速のまま進みます。一方W/Zボソンはヒッグス場と強く相互作用し、引っかかることで大きな質量を獲得しました。質量が大きいほど力の届く距離が短くなるため、弱い力の作用範囲はとても短くなっています。もし光子にも質量があったなら、光速や電磁力の届く範囲が大きく変わっていたでしょう。

07ヒッグス粒子とは何者か

ヒッグス粒子は、ヒッグス場のゆらぎとして現れる粒子です。ふだんのヒッグス場は宇宙のあらゆる場所にほぼ均一に広がっていますが、場の一部が局所的にゆらいだとき、波のような粒子として現れます。量子の世界では「場」が基本であり、粒子は「場の量子」として存在しています。ヒッグス粒子はとても不安定ですが、その発見によって標準模型の実在性が確認されました。

082012年、CERNでヒッグス粒子を発見

2012年7月4日、CERN(欧州原子核研究機構)は周長約27kmの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使った実験でヒッグス粒子の存在を確認し発表しました。ATLASとCMSという2つの実験施設が互いに独立して確認し、確認された質量は約125GeVでした。1960年代にヒッグス機構が提唱され、2008年にLHCが稼働を開始して実現したこの発見は、翌2013年にノーベル物理学賞として評価されました。

09質量の起源はヒッグスだけではない

ヒッグス機構はクォークや電子などの素粒子に基礎的な質量を与えますが、身の回りの物質の重さの多くは別の仕組みから生まれています。陽子・中性子などの質量の約99%は、クォーク3つが強い相互作用でまとまる際にグルーオンが飛び交うエネルギーに由来しており、クォーク自体の質量は全体のわずか1%にすぎません。つまり「質量の起源」はヒッグスだけでは説明しきれないほど複雑な仕組みです。

10まとめ:ヒッグス粒子が教えてくれたこと

今回はヒッグス粒子と質量の起源についてお伝えしました。ヒッグス場は宇宙全体に広がり、粒子とヒッグス場の相互作用の強さが質量の大きさを決めます。2012年のヒッグス粒子発見は標準模型の正しさを示す大きな一歩でしたが、物質の質量のすべてを単一のメカニズムで説明するわけではありません。暗黒物質・ニュートリノ質量・標準模型を超える理論など、ヒッグス粒子の発見は終わりではなく、さらなる探求の始まりです。

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