
中級34♥ 1
古代ギリシャ哲学
国家
プラトン
フランスの哲学者ベルクソンが、機械論でも目的論でもない「生命の創造性」を論じた主著です。「生命の飛躍(élan vital)」と「持続(durée)」という概念を軸に、進化を予測不能な創造のプロセスとして捉え直す哲学が展開されます。このスライドでは、問題意識・持続・生命の飛躍・進化は「創造」であることなど、10枚のスライドでわかりやすく解説していきます。
ベルクソンは、生命を「機械」でも「完成済みの設計」でもないものとして考えます。機械論は生命を物理・化学の連鎖として説明し、目的論は進化にあらかじめ目的があるとみなしがちです。ベルクソンはそのいずれとも異なり、生命は予測不能な「創造」として展開すると主張しました。
私たちが生きる時間は、時計のように区切られた「点」の集まりではありません。持続とは意識の中で流れる生きられた時間のことで、過去は消えず現在に折り重なります。時間は量ではなく質の変化として経験されます。時計時間が量的・均質であるのに対し、持続は質的・流動的で、過去・現在・未来が溶け合う創造的な流れです。
生命には、単なる物質運動では捉えきれない「押し出す力」があります。生命の飛躍とは、生命を前へ押し出す創造的な運動のことです。同じ形を繰り返すのではなく多様な分岐を生み出し、生命は障害にぶつかりながら新しい形を発明していきます。これは神秘的な霊魂ではなく、生命の創造性を表す概念です。
進化は、あらかじめ決まった設計図の展開ではありません。分岐・偶然・環境との相互作用が新しさを生み出し、生命の歴史は「再生産」より「発明」に近いものです。直線的・決定論的な設計図の展開とは異なり、分岐的・偶然的・予測不能な新しさの創出がそこにあります。
生命を理解するには、分析的な知性だけでは不十分です。知性は物を分け・固定し・操作するのが得意ですが、本能は生命に密着した自然な働きをします。そして直観は、持続の流れに内側から入って理解するものです。ベルクソンが重視したのは、生命の運動に寄り添う「直観」の力でした。
ベルクソンは、生命を「上向きの創造」として、物質を「下向きの反復」として対比します。生命は緊張・創造・差異化の方向に向かい、物質は弛緩・反復・固定化の方向に向かいます。両者は完全に別世界ではなく、同じ現実の異なる傾向として捉えられています。
人間は持続を生きる存在であり、そのぶん自由と創造の可能性を持っています。自由な行為は人格全体の持続から生まれ、創造とは既存の型をなぞることではなく新しさを生むことです。芸術・道徳・発明にも生命の創造性が現れており、「自由とは、外から見て偶然ではなく、内から見て自己表現である」とベルクソンは述べています。
『創造的進化』は生命哲学・現象学に刺激を与え、芸術論や創造性論にも波及しました。一方で、「生命の飛躍」は概念が曖昧ではないか、科学的説明としては弱い、比喩が多く検証しにくいという批判も受けました。それでも、生命を「新しさの生成」として考える視点は今日も魅力的です。
今回はベルクソン『創造的進化』についてお伝えしました。生命は機械でも目的でもなく、創造の流れです。時間は「持続」として生きられ、進化は予定調和ではなく新しさの発明です。直観は生命の内側に入るための方法であり、ベルクソンは世界を「できあがったもの」ではなく「生成し続けるもの」として見ました。