社会全体の豊かさと公平さを考える経済学。個人の利益だけでなく社会全体の幸福を考える。資源配分の効率性と所得分配の公平性を扱う。政策評価の理論的な土台になる。税・社会保障・医療・教育などと深く関係する。効率性(限られた資源を有効に使うこと)・公平性(所得や機会が公正に分配されること)・社会厚生(効率性と公平性の両立で社会全体の幸福を高めること)。
市場に任せるだけでは望ましい結果にならないことがある。格差や貧困の問題が生じる。環境問題などの外部性がある。公共財は民間だけでは十分に供給されにくい。市場のメリット(効率的な資源配分・イノベーションの促進・経済の成長)vs 市場の課題・失敗(市場の失敗・格差・外部性・公共財)。福祉経済学は、社会全体にとってより望ましい制度や政策を考える。
効率性:資源がムダなく配分されている状態。公平性:所得や機会の分配が公正である状態。現実の政策では両者のバランスが重要。効率的でも不公平な社会、不公平を是正しても非効率になる場合がある。トレードオフの関係にあり、効率性と公平性の調和を目指すことが重要。
①誰かを悪くせずに他の誰かを良くできない状態 ②資源配分の効率性を考える基本概念 ③公平かどうかは別問題 ④福祉経済学では出発点として重要。改善可能(誰かを悪くせずに他の誰かを良くできる)vs パレート効率(誰かを良くしようとすると必ず誰かを悪くしてしまう)。効率的=必ずしも公平ではない。
第1基本定理:完全競争市場では、競争均衡はパレート効率的になる(成立条件:完全競争・情報の完全性・外部性がない など)。第2基本定理:初期分配を調整できれば、望ましい効率的配分を競争市場で実現できる(移格・課税・給付など)。現実には条件が満たされないため政策介入が必要になる。
社会全体の幸福を1つの尺度で捉えようとする考え方。個人の効用をどう集約するかがポイント。平等を重視する考え方と総量を重視する考え方がある。政策判断の価値観が反映される。功利主義(総量=合計効用を最大化)・ロールズ的視点(最も不利な人を重視する公平性)・価値判断(どの価値観を重視するかで社会厚生の形が変わる)。
①外部性:公害・環境問題 ②公共財:防災・国防・街灯 ③情報の非対称性:保険・医療・中古市場 ④独占・寡占:競争不足による価格上昇。税・補助金・規制・公共提供などで改善を図る。
税制や社会保険で格差を緩和する。失業・病気・高齢化のリスクに備える。最低限の生活を支えるセーフティネット。再分配には公平性向上と勤労意欲低下の議論がある。税・給付の流れ(家計・企業→政府→家計・個人)。再分配(格差の緩和と生活の安定)・社会保険・セーフティネット。社会保障制度(年金・医療・介護・失業保険など)。
費用便益分析で政策の効果を比べる。効率性だけでなく公平性も考慮する。誰が利益を得て、誰が負担するかを確認する。医療・教育・住宅・環境政策などで活用される。政策案の比較例(政策案A:費用中程度・便益大きい・公平性中程度(弱者に配慮あり)・対象者:子育て世帯・低所得者 vs 政策案B:費用高い・便益中程度・公平性低い(所得上位層に偏る)・対象者:高所得者・企業)。数字だけではなく価値判断も重要。
社会全体の幸福を考える経済学。効率性と公平性の両立が重要。市場の失敗には政策介入が必要。税・社会保障・医療・教育などの制度設計に役立つ。理論だけでなく価値判断も含む。効率性(資源をムダなく活用する)・公平性(すべての人に公正な機会・分配)・市場の失敗(外部性・公共財・情報の非対称性など)・再分配(所得や機会の格差を是正する)・政策評価(効果やコストを測りより良い政策へ)。社会にとって望ましい仕組みを考える視点が福祉経済学。