
中級4
現代経済理論・財政政策
MMT(現代貨幣理論)とは何か
編集部
戦争中はなぜ「好景気」に見え、同時にインフレが起きるのでしょうか。政府支出の急増、供給制約、通貨増発という三つのメカニズムを丁寧に解説します。このスライドでは、戦時経済とは何か・なぜ好景気に見えるのか・物が不足する理由・インフレを生むお金の流れなど、10枚でわかりやすく解説していきます。
戦時経済とは、国家が軍需を最優先する経済体制のことです。平時は民間需要・消費・投資が中心の市場が主役ですが、戦時になると軍需・国防・生産統制が中心の国家主導型の経済へと転換します。
戦時には政府支出が急増し、軍需発注が拡大することで生産が増え、雇用と所得が増加します。その結果、景気が拡大しているように見えます。しかしこれは持続的な成長ではなく、一時的・見かけ上の繁栄にすぎません。
資源や労働力が軍需に集中することで、民需向けの商品が減少します。この供給制約がインフレの大きな原因となります。生産能力は増えていても、一般市民が買える物が少なくなるのが戦時経済の特徴です。
戦費を賄うために政府が財政赤字を拡大させ、国債発行や通貨増発に頼ります。お金の量が増えると、物価に上昇圧力がかかります。政府支出増→マネー増加→物価上昇圧力というメカニズムがインフレを引き起こします。
需要プル(政府支出の急増)と供給側制約(軍需優先)が重なることで、インフレが起きます。GDPは増えても国民の生活水準が上がるとは限りません。見かけの好景気と実態の物価高が同時に共存するのが戦時経済の特徴です。
名目賃金は増えても、物価調整後の実質賃金は低下することがあります。また配給制度が拡大し、自由な消費が制限されます。物価高・配給・闇市が日常化し、生活苦が広がっていきます。
価格統制で表面上の物価を抑えても、闇市が生まれ市場メカニズムがゆがみます。統制が厳しいほど闇経済が肥大化し、生産効率も低下します。その結果、戦後に深刻なインフレが顕在化することが多くなります。
第一次・第二次世界大戦の欧州・米国では軍需景気で雇用が増加しました。一方、日本・アジアでは価格統制・配給が厳しく、物価の深刻化が際立ちました。戦後ドイツのハイパーインフレや日本の戦後インフレは、統制解除後に爆発的に顕在化した例として知られています。
今回は、戦時経済の好景気とインフレの関係についてお伝えしました。戦時の「好景気」は未来の負担と引き換えの不安定な繁栄です。政府支出増による雇用創出の一方で、供給制約・通貨増発・インフレが同時進行します。そして戦後には財政再建とインフレ収束という深刻な課題が残ります。