
初級4
フランスの歴史・絶対王政
ルイ14世
編集部
宗教改革と絶対王政が交差した17〜18世紀に花開いたバロック様式です。劇的な明暗・豪華な装飾・躍動する構図で信仰と権力を「見える形」に変え、建築から音楽まで全ジャンルを席巻しました。
16世紀末〜17世紀はカトリック改革(反宗教改革)が推進され、17〜18世紀前半には絶対王政の確立と宮廷文化の隆盛がみられました。バロックは信仰と権力を「見える形」で示すための芸術として発展した様式です。
バロック様式の特徴は、劇的な動き・強い明暗対比(キアロスクーロ)・豪華な装飾・観る人を巻き込む感情表現にあります。ルネサンスの静けさや調和とは対照的に、「躍動感」と「感動」を重視した表現が追求されました。
バロック建築の特徴として、大きなドームと広がる天井・曲線や楕円の多用・金彩や彫刻による装飾・空間全体で圧倒する演出が挙げられます。代表例としてはローマのサン・ピエトロ大聖堂やフランスのヴェルサイユ宮殿があります。
バロック絵画では明暗法(キアロスクーロ)が多用され、劇的な瞬間の切り取りや斜め構図による動きの演出が特徴です。宗教・神話・王侯貴族を主題とし、代表画家としては明暗を革新したカラヴァッジョ、躍動する色彩のルーベンス、光と影の人間描写で知られるレンブラントがいます。
バロックの彫刻は「その場に起こる劇」としての芸術を目指しました。身体のひねりと躍動感・布や髪の流れのリアルな表現・建築と彫刻と光の一体化・観客の視線を導く舞台的効果が特徴です。代表例としてはベルニーニの《聖テレジアの法悦》(ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会)があります。
バロック音楽の特徴は対位法・通奏低音・華やかな形式にあります。旋律の装飾性・通奏低音の基盤確立・対位法の発展、そしてオペラ・協奏曲・フーガという形式が成立しました。代表例として対位法の極致を示したバッハ、オラトリオの名手ヘンデル、「四季」で知られヴィヴァルディが挙げられます。
建築・彫刻ではベルニーニがバロックの巨匠として知られています。絵画ではカラヴァッジョが明暗法で劇的表現を革新し、ルーベンスが躍動感あふれる华麗な色彩で、レンブラントが光と影の深い表現で人間の内面を描写しました。音楽ではバッハが対位法の極致を示し、ヘンデルがオラトリオの名手として、ヴィヴァルディが協奏曲形式を確立しました。
バロックはイタリア(ローマ)で成立し、宗教と芸術が結びついて誕生しました。フランスではルイ14世のもとで宮廷文化と結びつき華麗な宮廷芸術が発展し、中欧(ドイツ・オーストリア)では教会建築で発展しました。信仰の説得・王権の演出・都市の威信を示すという役割を果たし、移動する芸術家や工房によって各地に波及していきました。
今回はバロック様式についてお伝えしました。カトリックの反宗教改革と絶対王政が壮麗な芸術を生み、劇性・装飾・躍動感という強い明暗・豊かな装飾・動きのある構図で感情を揺さぶる表現が追求されました。建築・絵画・音楽、そして現代デザインにまで波及したバロック様式は、観る人・聴く人を圧倒し心を動かす総合芸術です。